━━ Education Magazine Vol.4 ━━━━━━━━━━━━ 2007.10.19発行 ━━
Gentie System Service School Division
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◆「日本一」「完全」「就職保証」・・・広告倫理自主規約
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財団法人専修学校教育振興会のホームページには「広告倫理自主規約」というページがあり、専修学校・各種学校の広告に関する表示事項について取り決めが書かれています。「日本一の就職率」「100％就職保証」「資格取得実績全国一」など、確かに専門学校の広告で目にしたことがありますが、「広告倫理自主規約」ではこのような表記を「根拠なしに使用しない」と書かれています。
弊社も専門学校の広告の仕事を通して、同様の表記に触れたことがあります。たとえば「完全就職サポート」という表記。就職サポートなのだから、完全に行なうという学校の姿勢に対して、問題を感じませんでした。しかし、広告倫理自主規約には「完全」「100％」「絶対」などの完璧性を意味する用語は使用しないと明記されています。「完全就職サポート」という表記も使用できないことになります。
「日本一」「全国一」「No.1」なども学校の広告の中で見かけることがありますが、客観的事実にもとづく数値または確実な根拠なしに使用しないとあります。またよく見かけるのが「○○保証制度」など「保証」という言葉。「全員国家試験合格」「完全就職」などの言葉と同様に、学生の将来を保証するような表示は使用しないとあります。
長らく学校の学生募集用ツール作成に携わってきた者としては、確かに見かける表記であるという感慨と、学校の担当の方から、この「広告倫理自主規約」の存在について話しを聞いた覚えがないと思ってしまいました。「広告倫理自主規約」の存在は別にしても、広告表記については問題になることも多く、相談を受けたり、一緒に検討したりしたことがあります。この「広告倫理自主規約」を知っていれば、話しもスムーズになったと思いました。
「通話料金0円」というある携帯電話会社の料金プランの広告を契機に、各携帯電話会社の広告調査が行なわれ、警告・注意があり、誇大広告防止のための第三者機関が設立されたのが昨年の話題でした。財団法人専修学校教育振興会が取り組む「広告倫理自主規約」がどれだけの効力を持つものなのかは定かではありませんが、人生を左右する教育機関の広告に、誤解が生じるような表示があっては確かにいけないことだと思われます。
広告を作る立場としては、できるだけ効果のあるものを作るために、ついつい過剰な表記をして扇情的な案内を作ってしまうことがあります。お客様である学校の方が喜んでくれるものを作って、見てもらう人にできるだけ反応してもらうものを作ることも仕事になっているからです。事実に基づかない内容は決して表現したことはないと自負しておりますが、どこかしら、誇大表現となりがちな意志のもと仕事に取り組んでいた時代があったことを思い出すと共に反省しています。
この傾向は、学校の特徴を少しでも表現するための行為であり、裏返すとそれだけ他校とは違う特徴を表現することに、どこの学校も苦心しているとも言えます。我々ができることは、学校の特徴を可能な限り分かりやすく伝達することであり、学校の特徴となることを作り出すことではありません。
お客様である学校のみならず、一般企業、弊社も含めて、競争力を高めていくために、他との違いをどう生み出すか苦労していると思います。しかし、他と同じことをやっていれば安心の時代は過ぎ、10年先どうなっているか分からない混沌の時代の今、学校も企業も混沌を受け止める多様性が求められ、今の時代、将来の時代に合った、他にはない組織の特徴を求めているのだと思います。
組織が確かな特徴をアピールできるようになった時に、「日本一」「全国一」「No.1」「完全」などの言葉は要らなくなり、修飾しなくても特徴が前面にでてきて、一人歩きし、そのまま組織の存在を知らしめることとなり、広告となっていくのかもしれません。学校も企業も生き抜いていくのがとても困難な時代となりました。組織の特徴作りは、最終的にそこに所属する人間の意識を変えることだと、「私が一番受けたい授業」で有名となった上田情報ビジネス専門学校様から学ぶことができます。
上田情報ビジネス専門学校様の「一番受けたい」や「すべては学生のために。」は、その確かな取り組みを持って、「広告倫理自主規約」には触れないのだと思います。今年のスクールDMで「すべては○○○のために」という表記を散見いたしました。特徴を伝える言葉として適した言葉なのではないでしょうか。
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