━━ Education Magazine Vol.1 ━━━━━━━━━━━━ 2007.9.7発行 ━━
Gentie System Service School Division
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◆日本経済新聞記事「数字は語る〜専修学校の生徒急減」
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2007年9月3日付、日本経済新聞教育欄に掲載された「数字は語る〜専修学校の生徒急減」コラムによると、2007年度の生徒数(速報値)は77万3339人で前年度比4万6千人余り減少。「4年制大学に進学する高校生が増えた」(日本私立学校振興・共済事業団)ことが要因。今春高校卒業生の専修学校(専門課程)進学率は16.8%で前年度比1.4ポイント低下とあります。
一緒に掲載された1990年度から2007年度までの専修学校生徒数を表した棒グラフを見ると「急減」という言葉がよく理解できます。「4年制大学に進学する高校生が増え」たとあるにも関わらず、この記事があった紙面の主なスペースは、私立を中心とした大学・短大の経営破綻懸念の記事。専修学校生徒数急減によって、大学・短大が決して潤っている訳でもありません。
同じ紙面には、工業科や商業科などいわゆる専門高校再編の記事もありました。専門高校で学び専門性を生かした進路を手に入れた人数の低さは、将来展望と結び付かない学習を意味し、若者たちを動機付けることが無理となり、無為な学校生活を続ける多くの専門高校生のために改革が必要と結でいます。
高校の目的は人間教育にあり、進路だけが重要でないとしても、専門教育の使命は有為な職業人養成にあることは間違いないともあります。現実問題として専門性を生かした進路に結び付かないのは、専門高校生が進路先として、学習の成果を発揮できる就職先を選ばなくなったのではなく、企業側の受け入れ体制が硬化しているのではないかと一企業で人事業務も行なう者として感じます。新卒といえども、むやみに採用せず、厳選しないと企業経営もおぼつかない現実がそこにあるのではないでしょうか。
では、専修学校離れはどう考えれば良いのでしょう。弊社のお客様である専門学校から依頼を受ける学校広報物の発注数を見る限りここ数年漸減傾向であっても、極端に資料請求者が減ったとは思えません。しかし4年以上前の発注数と比べると、激減振りが確かに伺えます。印刷物に掲載する専門学校の就職率は高い率を毎年維持していることを考えると、専門高校よりは遥かに専門性を生かした将来に結びついていることが分かります。「4年制大学に進学する高校生が増えた」という見解に説得力があります。
そして、その大学・短大の平成18年度における就職率を見ると(文部科学省学校基本調査より)、就職氷河期と言われた時代と違って企業の採用が増えた昨今は、就職率は上昇しているものの70%に届かず、就職氷河期とは違い、売り手市場と言われる新卒者採用時代にあっても、卒業後の進路が決まらず「無業者」として社会に送り出される人数は8.2万人に達します。誰でも大学に入学できる時代になったからと言って、誰でも大学に進学する社会が良いとも限らないことになります。
就職や将来を考えて、専門学校が良い、大学・短大が良くないとも言えず、学生本人の資質に合った進路選択をするのが良いという一般論に終始せざるを得ません。しかしながら、その学生の資質を伸ばすためには、学校も社会との関わりにおいて、これまで以上の明確なミッションを提示し、迷える学生に手を差し伸べ、本当の意味での就職・就業を導き、社会に貢献していくための端緒を直接・間接的にもでも正しく授ける存在となる必要があるのだと思います。学校広報物の制作者という立場から、これから学校広報活動の軸足はその辺にあるとも考えます。
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