こんにちは。ヂヤンテイシステムサービス代表の小澤です。
今回の記事は前回の続きです。
前回までに、Ustream、ニコ生、ツイキャスなどのライブ動画配信サービスの説明と、その違い。さらには、今ツイキャスがいかに大学・専門学校様の広報活動に適しているのかを解説させていただきました。
今回からいよいよ、ツイキャスの上手な活用方法です。「結果をだすためには、ライブ中継をするための準備と方法があります」と前回書かせていただいたのですが、実践してみた感想も含めて、その説明をさせていただきます。
中継前に分からなかったことは、ツイキャスのツィッターアカウントに問い合わをして、直接確認をしています。
まずはツイキャスで配信されている実際の動画を見てみましょう。
ツイキャスがどういうものをか知るための一番早い方法です。以下のリンクからツイキャスのホームページにいき、どれか1つ動画を見てください。ログインする必要はありません。
個人の顔がでてしまうため下の方はカットしてありますが、これがツイキャスサイトのトップページです。下にスクロールすると、「おすすめライブ」という項目で配信中のライブ動画が並んでいます。
いかがでしたか?
私は最初に見た時に、何が楽しくてこのような個人発信の生中継を若者は見るのか、まったく分かりませんでした。
それが以下のように考えが変わったのです。
「学校広報に使える!」
ネット選挙が解禁となった今年7月の参議院選挙の選挙活動期間です。候補者の方でツイキャスを利用している方がいました。演説だけでなく、1日の活動をずっと追いながら生中継をしていたのです。
テレビや雑誌の取材を受けているシーン、電車や車で移動するシーンまで、とぎれとぎれに中継をしていて、ツイキャスはこういう使い方があるのかと初めて知りました。
これこそ本当にライブだと感じたのですが、自然と私の頭はそれをそのまま学校のオープンキャンパス中継に当てはめて考えていました。
以前から、Ustreamを使ってオープンキャンパスを生中継するような、ネット上の学校放送局を構想していたこともあります。番組の企画、機材、中継ブースなど、演出部分まで検討したことがあるのですが、ツイキャスを見て考えが変わりました。
まずはこれでいいのだと。
今度はスマホのアプリをダウロードしてください。
ツイキャスアプリは、視聴するための「ツイキャス・ビュワー」(緑)アプリと、中継するための「ツイキャス・ライブ」(青)アプリの2つがあります。どちらも無料アプリです。オープンキャンパス中継に使用するのは「ツイキャス・ライブ」アプリです。
アプリを起動して、学校のツィッターアカウントでログインしてください。ログインすると配信待機画面に変わります。左下にある「GO LIVE」ボタンを押すと配信がスタートします。こんなに簡単にライブ中継を始めることができます。
※この記事のために、会社のツイキャスアカウントを取得しました。最初に使う画面にはこのような説明が入っています。
配信スタートしたことをツィッターでお知らせするために、配信スタート後に、コメント送信用のウィンドウが最初にでてきますので、そのまま「投稿する」を押してください。投稿するメッセージは「SETTING」で変更できます。
中継が始まると、スタート時に押した「GO LIVE」ボタンが赤くなり「STOP」ボタンになっていますので、そのSTOPボタンを押すと配信が終了します。
もうこれでオープンキャンパスの生中継ができます。簡単ですよね。中高生がツイキャスを使って気軽に中継している気持ちがだんだん分かってくると思います。
話が逆になりますが、今度は準備についてです。ツイキャス中継がいかに簡単であるかを知っていただきたかったので、先に中継方法を説明させていただきました。
学校によっては活用していない学校様もあると思いますが、ツィッターでフォロワーを集めている学校様はツイキャス中継に向いています。上記のように中継が始まった時に、自動的にツィッターに告知できるからです。
さらに中継中に視聴者からのコメントがつくと、そのコメントもツィッターのタイムランに流れていくため、情報が拡散し視聴者を増やすことができます。
ツィッターのフォロワーを増やす準備は一朝一刻にはできませんが、ここからはどこの学校様でも対応可能な準備の話です。
ツイキャスはリアルタイムのライブ中継なので、視聴者からすれば突然中継が始まることになります。何かしらの伝達方法でライブ中継をすることを予告しておく必要があります。学校HP、ブログ、ツィッター、フェイスブック、LINE@、DMなどを使うことになると思います。
スマートホン1つあれば、その他の機材は不要です。しかしながら、臨場感をだすために動きながら撮影する際は、画面の手振れを少しでも減らすために、スマートホンを固定して撮影する必要があります。
スマートホン専用のスタビライザーがあるのですが高価なため、小さなカメラ用の三脚か一脚で良いと思います。ツイキャスはスマホを縦にした状態で撮影することになるため、スマホをはさみ縦にして使える三脚固定用のアダプターを用意しましょう。500円くらいで購入できます。
ツイキャスは、3Gのままでも配信できますが、後から見ると、歩きながら撮影している時などに画像が飛んでいるところがありました。撮影している撮影中の画面ではそれは確認できません。できるだけWi-Fiネットワーク環境下で撮影することをお勧めします。
ツイキャスの1回の撮影時間は基本的に最長30分間ですが、ライブボタンを押せば何度も再開できます。オープンキャンパス全時間撮影する必要はないため、何回かに分けて撮影することになりますが、ツイキャスで撮影しているとバッテリーの消耗が激しいため、電池パックなどの予備のバッテリーを用意しておいた方が良いと思います。
撮影当日ないし事前にでも、ツイキャスの中継をさせていただく旨を参加者にお断りすることになると思います。視聴者が限られているといっても、WEB上に配信する動画なので、画面にでる方への配慮をしっかりとした方が良いですね。
ツイキャスの説明、中継の目的等を説明した上で、顔出しが困る方、話しかけられたくない方、逆に話をしても良い方など、撮影者が認識できるようにした上で撮影してください。
ツイキャスはラジオ放送のような音声だけのライブ中継も可能です。トークや会話を工夫する必要がありますが、顔をだしたくない場合は、この方法を検討してみてはいかがでしょうか?
この記事の【前編】でライブ動画配信と、Youtube等の動画サービスとの大きな違いは、編集されていないことだと書かせていただきました。ライブ中継してしまうため確かに編集はできません。しかし、唯一編集に等しい活動ができるとすれば、どこをどうライブ中継するのか計画を立てることです。
ツイキャスのライブ中継の最長時間は30分間です。1分で終わっても30分ギリギリまで中継しても構いません。ライブ中継を終了しても、再開することでまた最長30分間の中継が何度でもできます。そのためオープンキャンパスの1日の流れの中で、どこをどれくらい中継するかを時前に決めておいてから中継すると何かと好都合です。
ツイキャスホームページの「配信者向けヘルプ」ページに、「ご利用規約」「ツイキャス上での楽曲配信について」の文書がありますので、ご一読の上配信されることをお勧めいたします。
ここからは、いよいよ実際に中継する際の注意点です。
初めての中継の際は、数秒でも数十秒でもテストをしてみてください。画像が映っているか、音声が入っているかを、「ツイキャスビューワー」かPCで確認した後に、テスト動画は削除すれば良いと思います。
中継を始める時に映し出すスタート画面を決めてください。最初にツイキャス動画を見ていただいた時に、1つ1つの動画ファイル紹介のための画像があったと思いますが、あの画像は中継が始まった時のスタート画面です。
ライブ中継が終わり動画ファイルを保存すると、保存されたサムネイル表示の動画ファイルの画像も同じようにスタート画面になります。そのためスタートする時の画面を工夫する必要があります。
後から視聴してもらう時に、サムネイルの画面を見て、おもしろそうだと感じるものの方が再生される回数が確実に増えるからです。
当たり前ですが、中継するカメラはスマホなので、音を拾うマイクはスマホのマイクになります。スマホの近くにいる人の声ほどよく聞こえることになります。たとえば撮影者が参加者や先生と会話したりするようなケースでは、マイクの場所を意識して会話しないと、撮影者の声ばかり大きく聞こえる中継になってしまいます。
ズームは使ったことがないため、ツイキャスサイトにあった説明からの引用ですが、ズーム操作は撮影画面上を指一本で左から右へスワイプすると拡大になり、右から左のスワイプで縮小になるようです。普段お使いのスマホのカメラの扱いとは異なることがありますので注意が必要です。
画質の良し悪しは基準が難しいのですが、ツイキャス中継はあまり画質にこだわらずに配信するものと考えた方が良いと思います。カジュアル中継とも言えるでしょうか、ある程度の距離から撮影していれば、参加者がつけている名札の名前も読むことができませんし、クリアにならないから安心して中継できると考えてください。
ツイキャス中継の視聴者は、既に始まっている中継を見る人がほとんどなので、カメラが固定され会話も説明もなければ、視聴をやめてしまうと思います。見てほしい場面にもよりますが、時に会場を徘徊するように動きながら撮影することでライブ中継としての臨場感がでます。
実際に動いて撮影すると視聴者が増えてきましたし、カメラが固定しないことで、参加者の顔も一瞬しか入らず、撮影される側の抵抗感を軽減することができます。参加者にはイベントに集中してほしいですよね。
何度か書きましたが、ツイキャスのライブ中継1回の最長時間の基本は30分間です。突然撮影できないない状況になったら1分で中継を止めても構いません。そのまま動画を削除することもできます。
しかし、順調に中継ができるのであれば、最低でも10~20分間は撮影していないと視聴者を確保できません。視聴者数はライブ配信しているカメラ(スマホ)で確認できます。または別の方が視聴者になってモニターしていれば、視聴者数をライブ中継中に確認できます。
オープンキャンパス等のイベント開催中に、1回の中継最長時間は30分間ですが、何度も繰り返し中継ができます。しかし一度中継が中止された後に次の中継を始めると、視聴者は極端に減っています。例ですが、最初の中継で最大で50人まで視聴者数が増えたのに、再開したら5人になってしまったということがあり得ます。
その対策としては、次の中継を何時何分くらいに再開するのか、中継が終わる時に告げておくと良いと思います。そのためにも前項「ツイキャス中継のための準備」7.編集の中でアドバイスさせていただいたように、中継の計画を立てておくことが重要となります。
中継中に視聴者からコメントが入ると、そのコメントがツィッターに流れていくため、視聴者を増やすことにつながるのですが、個人が行うツイキャス中継と違い、学校が行うツイキャス中継の実際はコメントが全く入りませんでした。ひやかしコメントが入るのも困りますが、コメントが入らないと視聴者と会話もできませんし、中継している情報も広がっていきません。
アナウンサーのようなキャスターをつけて中継すれば、受け答えする人がいるので、コメントしてもらえるかもしれませんが、学校からの説明がたくさん入ってしまうより、素朴な中継をした方が真実味が伝わるとも考えられます。
ツイキャス中継の回数を重ねることで、コメントのもらい方を工夫してみてはいかがでしょうか?
中継を中止する時は、中継をスタートした時の左下のボタンと同じです。中継が始まると「STOP」ボタンになっていますので、そのボタンを押すだけです。
中継した動画は、基本的に「ライブは保存するが録画はあとで公開」というセーフモード状態になっていますので、そのまま「録画を保存する」をタップするだけです。保存後にすぐに公開したい場合は、「録画はあとで公開」をオンにしてください。すぐに削除する場合は「このライブを削除する」をタップしてください。
ツイキャス中継後に保存した動画は、ツイキャスでログインした学校のアカウントページにライブ履歴として残されます。その動画ファイルは「公開」「非公開」「削除」の選択ができます。
どんなにライブ中継の告知をしておいても、よっぽど学校に興味がある方か、身内の方でないと、最初のうちはリアルタイムで視聴してもうらことはできないと思います。
ライブ履歴に残した動画を紹介することで、ライブ中継を見逃してしまった人にも、ライブ中継の様子を後から見てもらうことができます。リアルタイムの視聴者も最初から見ている人は少ないため、全動画を見たい人もいるかもしれません。
学校のブログ、ツィッター、フェイスブック、LINE@など、あるゆるコミュニケーションツールを使って、ライブ履歴動画があることを紹介しましょう。
ライブ履歴動画に表示されている「総視聴数」は、ライブ中継を視聴した人の数ではなく、中継後に残ったライブ履歴動画も含め視聴された回数です。
しっかりとライブ履歴動画を案内することで、リアルタイム視聴者の何倍もの視聴者を最終的に集めることができます。タイミングよくリアルタイムで視聴できる人よりも、後から見ることができる人の方が多いのは当然だと思います。
ツイキャスのライブ動画ファイルは、PCにダウンロードができますので、1つ1つの動画ファイルを単独にYoutubeにアップしたり、フェイスブックやブログを使って紹介することもできます。
実際に、ツイキャス中継をさせていただいた専門学校様では、これまでに説明させていただいた準備と実践と事後活動を試みたのですが、著しい効果がありました。
詳しい数字は言えませんが、中継日以降のイベント来校者が増えました。予約の段階でどんどん増えていたので、嬉しい悲鳴としてその専門学校様から私は報告をいただきました。
特に演出的なこともできずに、たまに解説を入れて、参加者に話かけてみたりしただけの中継でした。マイクをもった先生や学生がでてくるような演出をした中継であったらどうだっただろうか?とも考えてしまいましたが、是非、皆さまの学校で試してみて、結果をお知らせいただけますと幸いです。
ツイキャス中継がどうして来校促進につながるのか、それは、まだ活用している学校がほとんどないからとも言えます。イベントの様子がライブ動画で分かれば、安心して参加できるのかもしれませんが、断定的な考察はここでは避けます。
1つ言えるのは、ツイキャスは中高生の感性に合っているのだと思います。そしてもう1点、スマホのために作られたサービスであることも大きいと思います。
先日のニュースでは高校1年生の84%が、スマートフォンを保有しているとありました。高校生に学校を興味を持ってもらうためには、スマホのサービス活用を抜きにしては考えられません。
Youtubeにアップするようなプロモーション用の動画は、一時的には見てもらえるでしょうし、説明用の動画としても使えると思います。しかし時間が経てばどんどん古くなっていくのが宿命です。
ツイキャス中継は、プロモーション動画を作る時間とお金もかけずに、一方的な宣伝にならない新しい動画を常に提供できるということになります。
放送手段を持つのはテレビ局だけだった時代は終わり、誰でも放送局(メディア)になることができる時代です。情報発信者としての自覚を持ち、的確な活用をすることで、効果的なマーケティング活動をすることができると思います。
それだけ時代が変わってきていると考えた方が良いでしょう。
学校の広報活動だけを想定して書かせていただきましたが、この方法論をヒントに、学校様だけでなく企業様のプロモーション活動にも何かしらの示唆となりましたら、この上ない幸せです。
※ツイキャスの配信方法につきましては、ツイキャスホームページの「ヘルプ」ページに説明がありますので、不明点があればご参照ください。