2019.4.22 ヂヤンテイ君

たった一人の分析が起点となるマーケティングについて

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

やっと、
春らしい陽気になってきましたね。

 

このくらいから、
梅雨に入るまでの時期が、一番
過ごしやすいのではないかと思います。

 

大事にしたいものですね。

 

このところ、このブログでは、
マーケティングの歴史を振り返って
います。

 

インターネット広告の歴史を
振りかえった時もそうでしたが、

 

歴史を辿ることで、
様々なマーケティング戦略の
位置づけが分かり、

 

1つ1つをバラバラに理解するよりも
理解しやくなると思っています。

 

昨日読んだ記事は、
ちょうど一昨日このブログで
取り上げた

 

マーケティング戦略の実践編となる
内容だったため、
とても勉強になりました。

 

マーケティングの歴史を振り返っている
まだ途中なのですが、

 

本日は、いきなり今のマーケティングの
実際の話を見ていきたいと思います。

 

目を惹いた記事はこれです。

 

東洋経済ONLINE:売れない会社は顧客1人すら具体的に知らない(2019.4.17)

 

この記事の筆者は、西口一希さん
という方で、

 

P&Gジャパンやロート製薬で、
マーケティングの仕事をされてきた方。

 

マーケティング現場の最先端の声に、
この記事で触れることができました。

 

まず、注目したのはこの部分です。

 

ますます多くの人々がスマートフォンを通じてインターネットに直接つながり、無数とも言えるさまざまなデジタル上の情報に触れているため、一人ひとりの情報接触や感じていること、行動を把握するのは極めて難しくなってきました。

 

インターネット広告の歴史でも
見てきましたが、

 

現在、いかに個人情報を把握するかの
競争になっていて、
社会問題にもなっています。

 

それにもかかわらず、
触れている情報が多すぎて、

 

一人ひとりが感じていることや
行動を把握するのは、困難である
という見解になっているのが、
現実のようなのです。

 

アドテクノロジーや
デジタルマーケティングは
部分最適にしかならない

 

こんな表現もありました。

 

このブログでも、このような
内容を取り上げたことがあります。

 

ニールセン調査より、アドネットワークより媒体直の方がオンターゲット率が高い

 

顧客を捉えようと、
新しいデジタル技術を駆使した、
手技手法に走っても、

 

ますます顧客から遠ざかる
とのことです。

 

デジタルだと、顧客の行動変化の
理由となる心理変化までは
捉えることができない
というのが理由です。

 

相手は、アナログな人間なんですよね。

 

西口さんも、コトラーやポーターなど、
さまざまなマーケティングの主義手法
や戦略構築の方法を試したようなのですが、

 

以下のような結論のようです。

 

マーケティング戦略がどんなに論理的で洗練されているように見えても、フタを開けてみれば成功しないのです。

 

それに比べ、西口さんはこう言います。

 

ロジックが弱く説得性に欠けていても、人を引きつける”何か”があると感じられる場面は、大きな成功につながりました。

 

そのため、西口さんが最も大切に
していることは以下。

 

1人の名前を持つ具体的な顧客、”N=1″を徹底的に理解することです。

 

これは、前回取り上げたばかりの
ペルソナマーケティングではないかと
思いました。

 

N=1というのは、
サンプル調査の数を示します。

 

仮に100人の人からアンケートを取る場合、
全体が100人なので、母集団が100、
N=100と示します。

 

全員からアンケートを取れば正確ですが、
許容誤差5%とすれば、80人からアンケート
を取ればよく、サンプル数80、
n=80と示します。

 

そのため、この場合は、
N=1ではなく、小文字で、n=1とした
方が良いように思いますが、

 

1であれば、母集団もサンプル数も
変わりがないという
考えなのかもしれません。

 

本来、ペルソナはn=10,000の
調査結果から浮かび上がらすもの
のようです。

 

しかし、そうすると、具体的な顔が見えず
「誰か」になってしまうと言います。

 

西口さんがこれを確信したのは、
ロート製薬時代のある商品の
プロモーションの経験から。

 

この具体的な内容は、先ほどの記事を
参照していただきたいのですが、

 

マーケターが集まって、ブレストや
ディスカッションをしても、
有益な案がでなかった。

 

しかし、実際の顧客にインタビュー
調査をしたところ、

 

そのお客様の感想から、プロモーションの
「アイディア」が見えたと言います。

 

これは、前回このブログで紹介した
経験価値マーケティングだと思いました。

 

西口さんは、「顧客起点マーケティング」
という名称で本までだされています。

 

商品やサービスに、届けたい顧客がいる以上、マーケティング上で機能する強い「アイディア」を導き出すには、実在する1人の顧客を深掘りすることが唯一有効な方法です。

 

深掘りすることが重要ですね。
インタビューしたお客様の
言葉そのものではなく、

 

購買行動につながる深層心理に対する
深い理解と共感。

 

これはさすがに、データから
導くものではないでしょう。

 

共感を得るためには、商品やサービスに
こめる思い入れや情熱があってのこと。

 

ミッションの話も、このブログでは
何度か取り上げました。

 

この辺のことが、今回の関連で
調べた以下の記事で紹介されています。

 

Cnet Japan:「n=1」のマーケティングを重視するスマイルズ–熱量が価値を拡充(2018.10.16)

 

データを分析することが
顧客を知ることではない
ということですね。

 

さきほどの記事には、
フレームワークの活用について、
以下のような内容がありました。

 

顧客分析のフレームワークで対象ターゲット全体を把握して「どのセグメントのN1顧客を深掘りし、何を知りたいのか」を設定する方法があります。

 

フレームワークは準備段階で利用し、
その後はたった1人を深堀する
ということのようです。

 

マーケティングの歴史を
振り返っているまだ途中ですが、

 

現在のマーケティングの実例として
こういうことがあることを
頭にいれながら、

 

また、マーケティングの歴史を
振り返ってみたいと思います。