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お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。
春なのに、寒い日が続きましたが、
本日は、天気の良い土曜日になりました。
本日も、マーケティングの歴史
の続きです。
マーケティング2.0の後半、
1980年代に登場した
マーケティング用語、
マーケティング概念を見ていきます。
まずは、グローバル・マーケティング。
地球全体を一つの市場と捉えて
行うマーケティングです。
セオドア・レビットが
1983年に発表した論文
「地球市場は同質化に向かう」(The globalization of markets)
で、グローバル・マーケティングの
考え方を提唱したそうです。
セオドア・レビットといえば、
以前、このブログでも注目した
「マーケティング近視眼」の人でしたね。
「ドリルを買う人が欲しいのは「穴」である」
の人でもあります。
グローバル・マーケティングの考えは、
企業が生き残るためには、
世界に目を向けるべきというもの。
技術の進歩と市場のグローバル化が進み、
人々の嗜好が多様化しても、
いつかは収束する、
そうであれば、国ごとの市場に合わせて、
製品をつくり分けるよりも、
最善のデザイン、信頼性、価格を具現化した
「統一規格の製品」を、世界中で
提供しなくてはならないという主張でした。
iPhoneのことが、すぐに頭に浮かびますね。
世界が同質化に向かっていくことを、
この時代に予言していたことになります。
その反対といっていいのか、
ローカル・マーケティングも
この時代に提唱された概念のようです。
ローカル・マーケティングは、
エリアを限定し、地域の特性を理解し、
地域に合わせたマーケティング活動と、
推測できるのですが、
この時代に誰が、どのような解釈で提唱
したのかは、現時点では調べることが
できませんした。
エリア・マーケティングという
言葉もあるようです。
市場が成熟したことで、商圏ごとの
マーケティングが必要になってきたものと
推測できます。
モバイルデバイスが発達した現在であれば、
地域に根差した企業や商店のための
マーケティングとも言えますし、
地方創生的な考えであれば、
地域の課題解決につながるような、
地域の人々による、地域のための
新しい市場をつくるような活動という
考え方もできると思います。
次に、フィリップ・コトラーが提唱した
メガ・マーケティングです。
先ほどの、グローバル・マーケティングと
関連があるようなのですが、
世界を市場として捉えるにしても、
現在も問題になっていますが、
保護主義的な政策や、参入規制があります。
そんな規制の厳しい市場に参入するための
方法として、
1986に発表したのが、「メガ・マーケティング」。
特定の市場に参入して活動するために、
製品(Product)
価格(Price)
場所(Place)
販促(Promotion)
従来の4Pに、以下を加えた、
政治的権力(Power)
広報活動(Public Relations)
6Pを戦略的に統合して、関係組織の
協力を得るという戦略です。
マーケティングの概念が
どんどん拡大していってますね。
最後に、
インターナル・マーケティングです。
ここでとうとう、マーケティングが
社内の人たちに向けたものとなります。
マーケティング2.0は
消費者志向、すわわち顧客に向けた
マーケティングだったはず。
そう感じたのですが、
企業が顧客に提供する、
製品やサービスを作り提供するのは
従業員。
従業員満足度を高めることは、
顧客満足度を高めることにつながる
と考えるのは自然です。
そのため、インターナル・マーケティングの
重要性が認識されるようになったようです。
外部の顧客に向けて行われる通常の
マーケティング活動を
エクスターナルマーケティングと
呼ぶそうで、
従業員満足度=インターナル・マーケティング
↓
顧客満足度=エクスターナルマーケティング
↓
業績アップ
↓
従業員満足度=インターナル・マーケティング
こういう循環となり、
「サービス・プロフィット・チェーン」
というフレームワークがあります。
「サービス・プロフィット・チェーン」は、
1994年に提唱されてフレームワークでなので、
インターナル・マーケティングに戻ると、
もともと、サービス業における
マーケティングの研究から始まったようです。
1970年代のサービス・マーケティング
については、少し前に
このブログでも取り上げました。
ホテルや、デパートを思い浮かべると
分かりやすくなりますが、
サービスは、顧客に接する従業員が
つくり出します。
サービスの品質は、そのまま従業員の質
ということになるため、
レナード・ベリーが1981年に、
従業員を内部顧客(内部市場)とする
考え方を提唱したそうです。
従業員の業務を、内部製品と見なす
という考え方。
レナード・ベリーといえば、
少し前に取り上げた、
リレーションシップ・マーケティング
を提唱した学者です。
1970年代のサービス商品を対象にした
サービス・マーケティングの流れに、
インターナル・マーケティングと
リレーションシップ・マーケティング
があると考えると、理解が進みます。
これで、やっとマーケティング2.0が
終わりとなります。
マーケティングの解釈が広がっている
とも言えますし、
市場の変化によって、マーケティングの
概念が膨張してきたように感じました。
今回取り上げた中で、一番気になったのが、
インターナル・マーケティング。
これは、また別の機会に取り上げたいと
思います。
それでは、次からはマーケティング3.0です。