印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。
本日は、マーケティングの歴史
の続きです。
前回は、マーケティング2.0から、
1970年代に登場した
マーケティング用語、
マーケティング概念を見ていきました。
その中で、1つ紹介できなかった
ものがあります。
それが「AMTUL(アムツール)」です。
「AMTUL」は、
消費者が商品を認知してから
購入に至るまでの、
心理的プロセスを説明する
消費者行動モデルの1つです。
このブログでも以前、
「AIDMA」
「AISAS」
「SIPS」
について、触れました。
「SIPS」がソーシャルメディア時代に
なって誕生したように、
時代とともに、新たなメディアが誕生し、
消費者の購買プロセスも、新たなものが
生まれていることから、
消費者行動モデルも、
次々とできるようです。
「AMTUL」は、1978年に
経済評論家の水口健次氏が
提唱したそうです。
それでは、最も有名な
「AIDMA(アイドマ)」は、
いつくらいから使われているのか
調べてたところ、
なんと1920年代でした。
マーケティングの概念が普及しだした
頃には、もう「AIDMA」の
考え方があったことになります。
念のため、「AIDMA」を振り返って
おきます。
A 認知・注意(Attention)
I 興味・関心(Interest)
D 欲求(Desire)
M 記憶(Memory)
A 行動(Action)
テレビCMや、雑誌の広告で認知して・・・
と、購入までのプロセスを辿って
みると思いあたると思います。
企業側からすると、このプロセスの
どこに問題があるのかを分析して
いくことになります。
これに対して、「AMTUL」の
場合は、こうなります。
A 認知 (Awareness)
M 記憶 (Memory)
T 試用 (Trial)
U 日常利用 (Usage)
L 固定利用 (Loyality)
一度使ってもらい、その後、
日常使いにしてもらい、
ファンになってもらうという流れで、
「AIDMA」が、1回の購買行動プロセス
なのに対して、
「AMTUL」は、複数回の購入、利用を
目指すためのプロセスとなります。
一度購入してくれたお客様が、
継続的なお客様になるためのモデルだと
言えます。
LTV(顧客生涯価値)、CRM、
リレーションシップ・マーケティング
という視点からも、
「AMTUL」の考え方は重要だと思います。
1970年代の日本は、オイルショックに
象徴されるように、高度経済成長が終わり、
公害などの環境問題が噴出していた時代です。
「AMTUL」の考えにも、
製品を作って売るだけではない、
消費者志向の考え方が
基本になっていることが分かります。
そして、いよいよ1980年代に入っていきます。
「AMTUL」の流れにもなりますが、
先ほども触れたように、
リレーションシップ・マーケティングが、
提唱されたのが1980年代。
アメリカのマーケティング学者
レナード・ベリーによります。
リレーションシップ・マーケティング
については、このブログでも先月
紹介させてもらいました。
この時の、おさらいとなりますが、
リレーションシップ・マーケティングは、
企業が顧客一人ひとりとの関係を構築し、長期に渡って製品・サービスをリピート購入してもらい、顧客のLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を最大化するマーケティング手法のことです。
お客様にロイヤルカスタマーに
なってもらうことが最大の目的です。
今でも重要な考え方というよりも、
今こそ重要な考え方ですね。
新規顧客開拓ができたとしても、
一時的な売り上げを
積み重ねても、たかが知れています。
パレートの法則(80:20の法則)
でいえば、
全顧客の中の2割の顧客に育てないと、
売上を伸ばしていくことができません。
「AMTUL」と、
リレーションシップ・マーケティング
2つの考え方をしっかり学び、
2割の顧客を育てていく方法を
追及していく必要がありますね。
すぐにCRMだとツールに走るのではなく、
考え方をまずはじっくり学び直す。
業界、業種、企業によって
リレーションシップの方法は
違うでしょうから、
自社に合ったやり方を追求するしかない。
それに見合うCRMツールを
検討するという順番ではないかと思います。
この記事は、マーケティング2.0の
内容を振り返っているだけなのですが、
現在の仕事に置き換えて
考えさせられることが多いなと思います。
1980年代は、まだまだあるようです。
また続きを書かせてもらいます。