2019.4.4 ヂヤンテイ君

マーケティングの歴史を辿ってみました【05】マーケティング2.0

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

本日は、マーケティングの歴史
の続きです。

 

前回までに、マーケティング1.0の時代の
マーケティングについて見てきました。

 

今回は、マーケティング2.0となります。
時代としては、1970~1980年代。

 

マーケティング1.0が、
「製品中心のマーケティング」だったのに対し、

 

この時代は、
消費者志向のマーケティング」に
変化していったようです。

 

昨日、取り上げたセオドア・レビットが、
マーケティング近視眼」で、

 

既に、マーケティングは、
顧客中心という視点で考えるべきであると
指摘していましたね。

 

セオドア・レビットや、マーケティングを
体系化した、フィリップ・コトラーが
この時代に、大きな影響を与えたことは
間違いないでしょう。

 

1960年代に提唱され、1970年代以降に、
マーケティングシステムとして
定義されたものも多かったのでしょう。

 

少し前に、このブログでも取り上げた、
ダイレクトマーケティングもその1つでした。

 

それでは、
1970年から80年代の時代背景から
見ていきましょう。

 

この時代になると、技術発展により、
安くて便利な製品が、
次々に開発されるようになり、

 

企業側からすれば、競合が増え、
価格競争が進む。

 

買い手からすると、製品の選択肢が増え、
企業優位の「作れば売れる」時代が
終わろうとしていた。

 

産業廃棄物による公害問題や、
食品添加物の問題が浮上したのも、
この時代で、

 

製造業の論理が通用しなくなってき
たことになります。

 

経験しているので、書いてしまいますが、
オイルショックもありました。

 

物価が上昇し、消費者の需要を生み出す
ことが難しくなりました。

 

消費者に選んで貰えるように、
自社の製品をどう位置づけていけば良いのか、
それが重要になってきた時代。

 

マーケティングが、
製品中心から消費者中心にシフトしていった
のはこんな時代背景からでした。

 

企業が製品を安く売ることではなく、
買い手を満足させて、
つなぎとめることの方が
重要になってきたからこそ、

 

「消費者志向のマーケティング」
ということになります。

 

個人的な話となりますが、
1980年代にマーケティングリサーチの
アルバイトをしたことがあります。

 

御茶ノ水にあった、マーケティングリサーチの
会社から、早稲田方面に向かい、

 

アパートを訪問しては、プレゼントを渡し、
アンケート調査用紙を回収するという仕事でした。

 

消費者のニーズを知ることに、
日本が初めて目覚めた時代だったのかも
しれません。

 

マーケティングリサーチのアルバイト
ということで、興味津々で応募したのですが、

 

あまりにも地味な仕事だったため、
長くは続かなかったと記憶しています。

 

競合が増え、価格競争が進むなか、
消費者志向の視点に立ち、
消費者のニーズを満たすめに、

 

競合とは異なる価値を提供する
必要がでてきた。

 

いわゆる差別化であり、
競合とは違ったポジションをとることを
強いられてきたということです。

 

振り返れば、GM(ゼネラルモーターズ)社は
すでに、セグメンテーションの考えから、

 

単一車種の自動車を安く売るフォードとは
袂を分かつ戦略をもっと前に始めて
いました。

 

このようなことを
マーケティングシステムとして、

 

確立していったのが、マーケティング2.0
ということなのでしょう。

 

よく知られるSTP分析が、
マーケティング2.0の象徴のようです。

 

この時代、日本経済は黄金期を
迎えていました。

 

私も当時読みましたが、1979年の
ジャパン・アズ・ナンバーワン」という
著書のタイトルが象徴的に、
この時代を物語ります。

 

トヨタ自動車の有名な「かんばん方式
という独創的な生産管理方法が
注目を集めたのも覚えています。

 

「かんばん方式」を生み出すもとになったのが、
トヨタ自動車のジャスト・イン・タイム
という考え、

 

アメリカと比べ、小さな日本の
自動車市場規模に、適合するための
生産方式だったようなのですが、

 

必要なものを、必要なときに、必要なだけ

 

という考えは、マーケティング2.0の
考え方に近いものであったことが分かります。

 

後発の日本の自動車産業は、
最初から、商品の差別化や、

 

多様化したニーズに応える必要が
あったのでしょう。

 

成熟した業界で、商品の差別化をすること。
多様化したニーズに応えることは、

 

現在でも検討に値することであり、
STP分析が現在でも重宝がられる
理由となりますね。

 

次回から、マーケティング2.0時代の
フレームワークを具体的に
見ていきたいと思います。