2019.3.28 ヂヤンテイ君

マーケティングの歴史を辿ってみました【02】T型フォード

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

本日は、マーケティングの歴史
の続きです。

 

前回、マーケティングは20世初頭の
アメリカで生まれたといわれている
と書いたのですが、

 

よく調べてみると、
もう少し前、19世紀の終わりに
マーケティングという言葉が生まれ、

 

社会的に認知されだしたのが、
20世初頭というのが正しいようでした。

 

1905年に大学の科目として、
Marketingという言葉が使われている
という話も書きましたが、

 

1905年に大学の科目になるのであれば、
言葉の誕生は、もっと前になりますね。

 

しかも、大学の科目に最初になったのも
1902年のミシガン大学の講義が
最初のようでした。

 

細かいことながら、情報は正確で
なければなりませんので、
あらためて書かせていただきました。

 

ついでに、マーケティングの語源に
ついても、もう少し説明がありました。

 

18世紀後半にイギリスで始まった
産業革命によって、大量生産が
可能となり、

 

植民地があるイギリスでは、
「なにが売れるか」
「どれだけ売れそうか」
を考える必要がなく、

 

ひたすら大量生産の技術を追求し、
生産すれば良かった。

 

それに対し、アメリカは植民地を
持っていないため、

 

大量生産した製品を国内で
売りさばくしかない。

 

ここまでの話は、前回も紹介
させていただきました。

 

そのため、その限られた国内市場で
売るための方法論が必要となったと
短絡的に説明させてもらったのですが、

 

もう少し、アメリカの市場について
触れないと、マーケティングの起源が
見えてきません。

 

限られた国内市場といっても
アメリカは広大です。

 

東西で同じ需要があるとも限りません。

 

気候も風土も違い、
人々の意識も価値観も違います。

 

そのため、地域に合った販売方法や
販売時期など、販売計画が必要となります。

 

販売計画はそのまま、原材料の手配など
生産計画に直結する話となり、

 

生産、販売が一体化した計画が
必要となった。

 

効率が良い計画を立てるためには、
市場や消費者を分析し、

 

商品を見直し、プロモーションも
効果的にミックスする戦略を考えな
ければならくなった。

 

マーケティングの4Pが
すでに潜んでいますね。

 

効率が良い計画は、
不良在庫を持たないようにしながら、
競合と戦うことが目的です。

 

こうなると、貿易、販売、商業という
言葉はふさわしくなく、

 

新しい言葉でなければ
表現しきれなくなった。

 

そんな必要性から、
「マーケティング」という言葉が
生まれたようです、

 

20世紀初頭にもなると、
アメリカはイギリスを抜いて
世界一の工業国になり、

 

大量生産、大量消費の時代を迎えます。

 

それとともに、「マーケティング」
という言葉が普及していった
という経緯だったようです。

 

この時代のマーケティングのテーマは、
大量販売を効果的にすること。

 

製造業が中心の時代なので、
製品が中心のマーケティングであった。

 

この時代のマーケティングの成功例で
必ず引き合いにでるのが、

 

フォード・モーター社の「T型フォード」
という自動車の販売戦略。

 

富裕層の乗り物であった自動車を
大衆の乗り物に変えたと
言われています。

 

作業の標準化・マニュアル化と
徹底した分業化を行い、

 

いち早く自動車業界に「ライン生産」
という概念を持ち込みました。

 

数種類の自動車を生産していたのをやめ、
「T型フォード」だけを生産する体制にした。
自動車の色も黒1色だけ。

 

徹底的に生産効率を上げることで、
販売価格が下がり、多くの車が売れた。

 

このことがどうして、
マーケティングなのかと思いますが、

 

売上が増えると確信できる
価格設定を先にした上で、
経営が成り立つ方法を考えって
いったようなのです。

 

本来であれば、コストを積み重ねて、
利益を乗せて価格設定をしますが、

 

売れる仕組みを考える、
マーケティングの考え方をすると、
販売価格を先に設定るするという
考え方も生まれてきます。

 

その後も、「いかに商品を売るか」
という時代が続いていき、

 

マーケティングの神様、
フィリップ・コトラー博士によると、

 

マーケティング1.0という時代になります。

 

先ほどの「T型フォード」のように、
売れる製品を作るために分析すること、

 

そして、マス市場に向けたプロモーションに
軸足を置いた考え方が中心の時代。

 

マーケティング1.0は、
1900~1960年代までなので、
かなり長い期間、製品が中心の
マーケティング時代が続いたことになります。

 

この期間は、戦争が繰り返し
勃発した時代にあたり、

 

大量生産、大量消費の時代が
続いたということでしょう。

 

マーケティングのフレームワークの
勉強をすると、初期のものは
製造業が想定されているは
このような時代背景があったからですね。

 

1950年代から、今でも使われる
フレームワークの考え方も
登場するようです。

 

そのため、次回は、フレームワークから
マーケティング1.0を
見ていきたいと思います。