こんにちは。
ヂヤンテイシステムサービス デザイナーのナガノです。
先日、2019 年6 月29 日(土)~8 月18 日(日)まで
東京ステーションギャラリーで開催されている、
「メスキータ展」に行ってきました。
メスキータとは?
サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(1868-1944)は、
オランダでデザインや版画の指導者として教鞭をとるかたわら、
さまざまな技法を用いて個性的な版画を数多く制作しました。
ナチスによって家族もろとも連れ去られ全員強制収容所で亡くなりますが、
自宅に残されていた作品は、
だまし絵で知られるM.C. エッシャーら教え子たちが必死に守りました。
本展はメスキータの全貌を紹介する日本初の展覧会だそうです。
私は本展が開催するまで、メスキータという人物を知りませんでした。
実際展示を見て、エッシャーが強く影響を受けたということも納得。
力強く大胆な彫り。繊細な曲線。
どれもモダンでカッコイイ作品に圧倒されました。
展示会場は、モチーフ別で5つのエリアに分かれています。
第1章 メスキータ紹介/Introduction
第2章 人々/Human Figures
第3章 自然/Animals and Plants
第4章 空想/Fantasy
第5章 ウェンディンゲン/Wendingen
メインの版画の他、エッチングやリトグラフ、
ドローイングやペンや水彩で描かれた作品も多数展示されています。
版画エリアでは、
完成作品と試し刷りを比較をした展示もあり、
バランスを確認しながら彫りを追加していく過程を見られる展示というのは、
面白いなと思いました。
印象に残ったのは、「第3章 自然/Animals and Plants」のエリアにある、
1918 年頃《シマウマ》(3-30)という作品。
メスキータが「存在自体が木版画のシマウマを、わざわざ木版画にする必要はない!」と言っていたのにもかかわらず、
後に、メスキータが手掛けたシマウマがモチーフの作品が出てきたという、エッシャーのエピソードが面白かったです。
本展の写真撮影は不可だったので、
たくさんの作品をご紹介する事ができませんが、
展示室の最後に少しだけ撮影できるスポットがありました。
手前の作品が、メスキータの自画像です。
線の太さや細さを変える事により、光のあたり具合を表現されているそうで、
どの作品もインパクトがあり、遠目から見ても白と黒のバランスがとても美しいです。
実際に近くで見るとわかりますが、輪軸を彫らずに表現する手法には驚かされました。
どこか切り絵のような、古さを感じさせないメスキータの作品に、
今まで私が思っていた版画に対する印象が大きく変わったような気がします。
会場入口と出口付近に置いてあるチラシは、
5種類とも絵柄が異なり、裏面に載っている作品もそれぞれ違ったので、
行かれた際には是非5種類集めてみてください。
家に帰ってからも作品を楽しめます。
「メスキータ展」は8 月18 日(日)まで開催中です。
ご興味のある方は是非足を運んでみてください!