印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。
先週、このブログでこの記事を
書かせていただきました。
この記事は、NHK「クローズアップ現代+」で
取り上げられた内容を元にしたもの
だったのですが、
このタイミングで、関連する記事が
昨日、東洋経済ONLINEにでていました。
「クローズアップ現代+」の内容と
同じものかなと思って読んでみたら、
結論としては同じようなものでしたが、
解説されている方も違い、
さらなる認識を与えてくれるものでした。
現代人とは、切ってもきれない
スマホ=インターネットによる
弊害の情報です。
何度も繰り返し、認識するくらいが
ちょうど良いため、
今回の記事も、紹介したいと思います。
今回は、明治大学教授の齋藤孝さんが解説
されている内容でした。
私たちは現在、SNSによって、
四六時中誰かとつながっている状態。
日本だけでなく世界中の他者と
つながっていられる状態になった。
この状態は、便利なように見えて、
異常な状況でもある、
そう指摘されています。
齋藤孝さんは、こんな表現で、
それについて、説明されています。
自分の個室にいつでも他人がノックなしに入ってくる。しかもそれが1人とは限らない。その状態が切れ目なしに続く。
これの何がいけないのか。
1人になって精神を落ち着かせる時がない。
相手から連絡が来たらすぐに返事を出さないといけない。
既読して何時間もスルーしているとお互いに気まずくなってしまう。
かといって、いい加減に返事を出すと誤解されてしまう。
いろいろなことに、
細かい神経を使わされている。
精神衛生上、望ましい環境とは言えない
ということなのです。
いろいろなことに、
細かい神経を使わされている。
というのは、
ネット内のことだけではなく、
以前と違って、リアルの中でも、
そう言えると思います。
それも、インターネットがもたらした
情報化社会に居住しているから、
なのかもしれないと思いました。
ネット空間では、
怒りを覚えたり憎しみを感じたり、
感情を荒立てる場面にも遭遇する。
それは、軽い緊張状態、興奮状態が
ずっと続いているのと同じ。
24時間、つねに誰かとつながっている感覚で、
切れ目やオフがない状態。
このような軽い緊張状態、興奮状態が続くと、
明らかに集中力がなくなり、
判断力や意志力が衰えるとあります。
先日の「クローズアップ現代+」では、
脳の情報処理の仕組みからの
アプローチでしたが、
今回は、行動心理学や社会心理学
からの見解となるようです。
明治大学教授の齋藤孝さんについて
調べてみると、文学部の教授のようで、
専攻分野は、
教職課程 教育方法、身体論、コミュニケーション技法
とありました。
行動心理学や社会心理学の分野では、
「人間の判断力や意志力といった精神力は有限である」
これが常識だということです。
人間の筋肉と同じように、
使えばが疲労が蓄積するので、
休息させる必要があるのだとのこと。
そうでしょうね。
アメリカで行われた実験を元に
そのことを紹介されていますが、
その実験が示すことは、
心のエネルギー量は有限だということです。1日の心のエネルギー量があるとすると、それを何に使うかが問題です。
ということのようで、
有限だと言い切られてしまうと、
よく考えなければいけないと思います。
インターネットやSNSにエネルギーを消費してしまい、それ以外に向けられる精神エネルギーが相対的に少なくなってしまっている。
このことを、齋藤孝さんは、
「心の漏電状態」と表現しています。
インターネットやSNSにつながっていることで、気づかないうちに少しずつエネルギーが漏れている状態です。そして気が付くとバッテリー切れで動かなくなってしまう……。
とても、分かりやすい表現のため、
そのまま引用させてもらいました。
インターネットやSNSによって、
つながりがあることは、
どこからしら、安心感があります。
インターネットが無かった時代は、
電話や手紙が、その役割を果たしていました。
しかし、その時代と違うのは、四六時中
つながっていることができる環境になった
ということではないでしょうか?
そのため、心の漏電状態が続いてしまう。
精神エネルギーの総量は有限なので、
それが落ちると、判断力や意志力も
落ちることになるようなのです。
かつて、評論家の大宅壮一さんが、
テレビについて、
『一億白痴化運動』が展開されていると
指摘していましたが、
テレビ離れが叫ばれている昨今は、
インターネットによる弊害が
指摘されるようになってきた
ということですね。
かつて私も、寝る前までSNSに
かじりついていた時代がありました。
投稿やコメントした内容に対して、
また何かしら反応しなければならない
からなのですが、
それは精神衛生的に良くないなと
自覚したのと、
寝る前に、スマホの光を浴びている
ことが良くないこともわかり、
一切やめました。
休日に少しSNSを眺めるくらいで、
とても緩いつながりに、してしまったのです。
それでも、休日時間がある時は、
スマホ片手に、あっと言う間に1時間
くらい過ごすことがあり、
今回の話しからすると、自分もまだ
依存症から抜け出せていない
とも考えられます。
齋藤孝さんによると、
ネットサーフィンは1日30分、
SNSは夜9時以降は見ない。
これくらいの、自分なりの基準や
ルールを作ることを勧めています。
それをつながりのある人に
宣言すれば、理解してもらえると。
空いたは時間は、
本を読んだり、映画を観る、
音楽を聴く、日記を書く、身体を動かす、
などがお勧めとのこと。
「クローズアップ現代+」で紹介された話と
同じですね。
と、ここまでは良いのですが、
当社はお客様にSNSの活用を勧めてきた
立場です。
ユーザー側となれば、こういう話が
現実としてあることをしっかり
認識する必要があります。
記憶力、判断力、意志力の低下に
つながる可能性を指摘されている
訳ですから。
寺山 修司の
「書を捨てよ、町へ出よう 」
ではありませんが、
「スマホを捨てよ、町へ出よう 」
なんて運動が始まるかもしれません。
ネットの利便性と、健やかな人間の心が
共存できる方が良いので、
SNS離れの時代がきても良いと思います。
第一、自らが、SNSおよびスマホと
距離を置くようになっているのですから。
我々がやるべきは、
お客様の「伝えたい」をデザインすること。
道具を使うことが目的ではありません。
記憶力、判断力、意志力の低下につながる
社会にはなってほしくないため、
このような情報を
紹介していることになります。
コミニケーションを仕事とする
企業の責任としてです。
過度なネット利用、
注意しましょね!