印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。
お客様が制作したデータが支給され、
そのまま、冊子の印刷製本をする
ケースが以前よりも増えてきました。
無線綴じ製本と、中綴じ製本の
違いについても、お客様が
把握されていることも増え、
説明する必要がなくってきました。
しかし、中綴じを希望されているのに、
本文が22ページのデータが支給される
ケースがあり、
中綴じは4ページ単位の製本であることが
まだまだ浸透していないのだなと
思うことがあります。
本日は、中綴じ製本のパンフレットや
冊子を制作する上で、知っておいた方が
良いことを紹介します。
Illustratorで制作している場合は、
見開きで作成していると思います。
モノクロ冊子などをWordで作成している
場合は、単ページごとに制作している
ケースも多く、
制作している段階では、製本のことまで
頭が回らないのは無理もないことだと
思います。
とりあえず頭に入れておくべきことは、
中綴じ製本の場合、できあがる
パンフレットや冊子は、表紙も入れて、
4ページ単位であることが鉄則です。
8ページ、12ページ、16ページ、
20ページ、24ページ・・・
以下、中綴じ製本と、無線綴じ製本の
綴じ方の違いです。
見ての通り、中綴じは、見開き両面
4ページの紙を重ね、
センターの部分を針金で綴じるため、
4ページ単位にしかなりません。
このイラストだと、無線・平綴じも
4ページ単位になりそうですが、
無線・平綴じの場合は、単純に重ねる
だけなので、4ページ単位である
必要はありません。
このイラストの中綴じの「1折」が、
一番外側で、表紙になります。
カラーのパンフレットであれば、
この表紙だけ、本文よりも厚い紙にする
ことも多くなります。
モノクロ冊子であれば、表紙だけ
色の紙を使うが多々あります。
このイラストで分かりますが、
見開きの状態の紙を重ねた、
ひとまとまりが折られるため、
内側のページほどサイズが短くなります。
このイラストだと、4折まであるので、
このまま製本すると、表紙も含めて
16ページの中綴じ製本です。
1折よりも2折、2折よりも3折と、
冊子のページが内側のページになります。
針金が入るセンターを冊子の名称として
「のど」と呼びます。
反対側の、冊子の外側を「小口」と
呼ぶのですが、
中綴じ製本の場合、見開きの紙を
まとめて折るため、ページが増えると、
「小口」が徐々にせり上がり、
内側の紙ほど、はみ出すことになります。
その状態のまま、一番外側の表紙の
紙に合わせて、仕上がりのサイズに
断裁するため、
内側のページほど、サイズが短く
なってしまうのです。
16ページくらいの冊子であれば、
それほど気になりませんが、
たとえば64ページなど、ページ数が
多い中綴じの場合は、デザインする時から、
内側のページの紙面が狭くなることを
想定してデザインすることもあります。
小口にインデックスなどを入れ、
ページの内容が分かるようにする
ことがありますが、
内側のページほど、デザイン部分が
断裁されてしまうことになりますので、
仕上がりよりも3mm以上内側に
デザインすることになります。
ついでに、中綴じに限らず、
冊子デザインの基本となりますが、
キャチコピーなどが、
見開きのセンターをまたぐような
場合は、センターに文字がかからない
ように注意します。
イラストを見ても分かるように、
見開きのまま印刷するのは、
表紙と一番内側になる紙だけです。
あえて、一番内側になる紙を想定して、
そこだけ左右にまたぐ絵を入れるような
こともあるのですが。
それでは、中綴じ製本の場合、
何ページまでの冊子を作ることが
できるのでしょうか?
このブログでは、何度かこの話を書いて
いるのですが、64ページまでを
推奨しています。
理由は、上述の通り、中綴じ製本は、
内側のページの紙面が狭くなるからです。
また、ページ数が多いと、製本後も
真ん中が綴じきれず、パカッとした
冊子になることがあるからです。
これを避けるためには、本文の紙を
薄くすることです。
実際のところ、中綴じ製本は
100ページ以上であっても製本可能です。
中綴じ製本機の限界は320ページです。
しかし、ネット印刷サイトの情報を
みても64ページか、76ページが、
中綴じ対応の最大ページ数です。
唯一、グラフィックが96ページまで
対応していますが、
96ページを選択すると、
本文の用紙は3種類に限られます。
ページ数が多くなると、本文用紙は、
厚い紙は使えないからでしょう。
以上、中綴じ製本のパンフレットや
冊子を制作する上での
注意点をまとめてみました。
印刷物ができがってから、失敗した
ことに気がつくということがないよう、
注意して制作しましょう。