2019.5.31 ヂヤンテイ君

上質紙にカラー印刷という組み合わせのパンレットが新鮮な理由

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

本日は、上質紙の説明に苦労しました。

 

コート紙や、マットコート紙のような
表面加工した紙でないものを
お客様が希望され、

 

紙によって、金額がアップすることは
避けたいということだったため、
上質紙をおすすめしました。

 

印刷通販が登場してから、
もう何年も経っているので、

 

コート、マット、上質であれば、
一般の方でも、ある程度は認識されて
いるものと勝手に感じていたのですが、

 

電話口で、上質紙がどういう紙なのか
分からないということで、
説明することになってしまいました。

 

身近なところで、コピー用紙に
似ている紙ですと、お伝えしました。

 

実際に、上質紙とコピー用紙の原料は
ほぼ同じです。

 

しかし、コピー用紙は、
プリターで出力するために作られた
紙なので、少し違うのです。

 

自社で制作したチラシを、
自社のプリンターで出力したものと、

 

オフセット印刷で上質紙を
印刷したチラシを比べると、
コピー用紙のチラシは、
安っぽく感じてしまいます。

 

質感が違うのです。

 

上質紙はオフセット印刷に耐える
表面強度が必要で、

 

上質紙が、筆記に適するように
作られているのに対し、

 

コピー用紙は、筆記適正が求められて
いない違いがあります。

 

いずれにしろ、印刷物を作る際に、
コピー用紙はおすすめできません。

 

印刷機と、プリンターで、
それぞれに適した紙がある
ということです。

 

上質紙は、印刷用紙としては、
ごく一般的な紙なので、

 

その他の特殊な紙に比べたら、
金額も安い紙となります。

 

それにもかかわらず「上質紙」
という名称なので、

 

お客様から、上質な紙なんですねと、
言われることが多く、

 

本日のお客様も、そこを指摘して
おりました。

 

コート紙やマット紙のように、
表面加工をしていない紙を、

 

非塗工印刷用紙と呼ぶのですが、
確かに、上質紙は、非塗工印刷用紙の
上級印刷用紙なのです。

 

上級印刷用紙があれば、
中級印刷用紙、下級印刷用紙もあります。

 

この違いは、紙の白色度の違いです。
より白い紙が、上級印刷用紙となります。

 

非塗工印刷用紙は、表面加工をしていない分、
光の反射が少なく、文字が読みやすい紙
ということになります。

 

そのため、雑誌や、書籍の本文でも
使われています。

 

雑誌の本文や漫画誌の紙は、
あまり紙の色が白くないと思います。

 

中級印刷用紙、下級印刷用紙は
雑誌の本文や漫画誌の紙で
多く使われています。

 

そういう意味では、上質紙は、
汎用性が高く、上質な紙だと
言うことができますが、

 

コート紙やマット紙と同様に、
ごく一般的でリーズナブルな紙なのです。

 

最終的には、過去の印刷物で、
上質紙を使ったものを紹介することで、
お客様に理解していただくことが
できました。

 

紙の説明は、実物の見本がないと、
ほぼ不可能に近いかもしれません。

 

今回の依頼は、カラーパンレットの
仕事でした。

 

写真が多いパンフレットではなく、
図表と文章で説明をする

 

パンフレットなので、
読んでもらうことが目的です。

 

お客様がコーティングされた紙を
選ばなかったのは、

 

非塗工印刷用紙の方が、読みやすいと
感じたからだと思います。

 

しかし、カラーのパンフレットで
上質紙という組み合わせは、以前は、
あまりおすすめ出来ませんでした。

 

コーティングされてないので、
紙にインクが染み込み、
色が変色してしまうからです。

 

紙の乾きも悪く、
褪せた感じの色になってしまうのです。

 

しかし、印刷通販などでも、
当たり前のように、カラー印刷に
上質紙のメニューを用意しています。

 

それは、UV印刷というものがでてきて、
乾きの悪い紙を克服できたからです。

 

UV印刷のUVは、UVケアと同じで、
紫外線(Ultra Violet)のことです。

 

印刷をしながら、紫外線を照射することで、
瞬間的に硬くなり、乾燥するUVインキを
使用する印刷のことです。

 

印刷をしながら、インクを瞬時に乾かして
しまうため、

 

以前であれば、片面印刷したら、裏面は
次の日だったものが、

 

片面を印刷したら、すぐにひっくり返して
裏面が印刷できるようになりました。

 

乾きが悪い紙の印刷に、
UV印刷が有効なのです。

 

上質紙のカラー印刷に
抵抗感がなくなったのは、このためです。

 

ザラっとした質感の白い紙の
上質紙にカラー印刷をすると、
とても新鮮で良い印象になると思います。

 

写真の色にこだわる印刷物には、
おすすめできませんが、

 

紙のザラっとした質感が必要で、
印刷費を抑えたいという場合は、
上質紙にカラー印刷は、おすすめです。

 

あえて、DM(ダイレクトメール)に
上質紙を使うお客様も増えてきました。
もちろんカラー印刷です。

 

基本的に、ザラっとした質感がある
ファンシー系の印刷用紙は、
価格が高いのです。

 

その点、上質紙は、
コート紙やマット紙と変らない金額なので、
使い勝手が良いということです。

 

上質紙は、モノクロ印刷用として
使わることが今でも多い紙です。

 

それをカラー印刷で使うという
選択肢が現在はありますので、
試してみてはいかがでしょうか。

 

印刷物は、手にした時の
質感も重要です。

 

ちなみに、上質にも様々銘柄があり、
質感も様々です。

 

銘柄から、こだわることができるように
なれば、プロですね。

 

印刷用紙の供給不足がこのところ
心配であり、このブログでも
記事を書いたのですが、

 

上質紙に関しては、今のところ
問題ないようです。

 

情報伝達ツールとして大切な印刷物、
目的に合う紙を使い分けられるよう、
また、情報発信していきます。