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お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。
本日は、天皇の即位の日。
元号が、平成から令和になりました。
令和が始まった日の朝は
爽やかでした。
実家に戻ってきたのですが、
5月の陽射しに、改元によって
与えれれた休日という時間。
窓を開けていても風もなく、
こんな穏やかな気持ちになることが
できたのは、いつ以来であろうか、
そんなことが頭をよぎるほど、
貴重な時間を過ごすことができました。
本日が、国民の祝日扱いになったことで、
この10連休が成立したので、
本日も、皇室関連の話にしたいと
思います。
昨日に続き、
美智子さんの話からなのですが、
一連の皇室報道を通して、
美智子さんが優れた歌人であることを
知りました。
皇后陛下御歌集『瀬音』
という歌集まで出版されている。
この歌集のタイトル『瀬音』は、
皇太子妃殿下であった美智子の、
昭和56年の歌会始御題「音」の歌によるもの。
わが君のみ車にそふ秋川の瀬音を清みともなはれゆく
この和歌が、テレビで紹介され、
美智子さんは、万葉集や古今和歌集の
歌人と同じではないか、
そう感じました。
この歌にある「秋川」とは、
東京西部にある秋川渓谷のことで、
個人的にゆかりのある場所でも
あるのですが、
それ以前に、美しい言葉の響きに、
心を動かされました。
門外漢の私がこの歌の説明を
する訳にはいかないため、
どんな思いが込められているかは、
調べてみてください。
意味がわかると、さらに感動すると
思います。
これをきっかけに、皇室と和歌の関係や、
和歌を詠むというのは、
どういうことなのだろうかと、
急に、和歌に対する興味となりました。
天皇家の歴史を振り返る番組でも、
ところどころで、
天皇皇后の和歌が、紹介されていましたね。
中学の時の国語の授業で、
万葉集や古今和歌集の中の和歌を、
抑揚をつけて歌うというものが
ありました。
ひさかたの〜〜〜
こんな感じで、歌で覚えたので、
今でもでてきます。
ひさかたの 光のどけき 春の日に
静心(しづごころ)なく 花の散るらむ
こうして、歌にするのが、和歌で、
同じ、五 七 五 七 七 でも、
詩を詠むのが短歌だそうです。
確かに、宮中の歌会始では、
和歌が歌で紹介されています。
皇室と和歌の関係について、
この記事に詳しい説明がありました。
宮内庁御用掛として昭和天皇、現上皇、
皇族方の和歌の御相談役を務めた歌人、
岡野弘彦氏による説明です。
いきなり、こんな説明がありました。
古来日本人は、わずか31音の定型詩・和歌で心の中にある「まことの思い」を詠んできた。
和歌は心の中にある
「まことの思い」を詠むもの
だったのです。
「まことの思い」とは、
願いを現実化する力を持つ言葉。
古代の言葉が孕む霊的な力のこと。
その伝統の核に、天皇がいると
いうこと。
古の時代、年の初めに天皇が土地の生産を祝福する歌や、活力に富んだ恋の歌を力強く朗々と歌うと、人々をはじめ家畜や穀物が豊かな生産力を持つようになると信じられた。この呪的な力から和歌が生まれ、はるか後世まで、新年の歌会始が恒例行事となった。
新年の歌会始にこんな意味があるとは
思いませんでした。
それを現在まで続けてきている
ことに凄みを感じました。
さらに、その和歌は、
相手の心を感動させることが
目的となっている。
別の記事ですが、岡野弘彦氏が
雅子さまにおっしゃった言葉。
「相手の心を感動させることがまず大切で、これが歌の伝統の原点です」
これまで、和歌にさほど関心がなかった
ことが、いかにもったいなかったか、
そう感じました。
和歌は、いまさらながら芸術作品だったのです。
それは、さきほどの記事の中の
この部分でも確認ができます。
和歌とは、「この表現以外にない」と言葉が動かなくなるまで心を集中し、推敲を深めて詠むものだ。声に出して詠んだ時に心に響いてくる音の流れである「しらべ」と、言葉が持つ意味である「こころ」が交じり合い、31音の中に変化と感動が生まれる。
卑近な例で申し訳ないのですが、
キャッチコピーをつくる時は、
「この表現以外にない」という
表現を探すのですね。
音の響きや、漢字とかなのバランス、
見た目も気にします。
歌にする以外は、キャッチコピー
づくりに似ているなとも思いました。
そして、会社のブランドメッセージこそ、
「この表現以外にない」と言葉を探す
ものであるなあと思いました。
会社のミッションを表現する言葉です。
ブランドメッセージも、
「しらべ」と「こころ」が交じり合い、
変化と感動を生むもので
なければなりませんから。
しかし、和歌とブランドメッセージが
違うのは、
ブランドメッセージは育てる
必要があること。
言葉だけではなく、行動と心が
混じり合い、人を動かすもので
なければいけないこと。
行動とは、日々の活動です。
穏やかな空気に満ちた、
令和初日の午前、
うららかな気持ちで和歌について
触れてみました。
日本の伝統は奥が深い。
学ぶことが多いとあらためて
感じるとともに、
和歌や短歌を学ぶことは、
言葉と心の稽古になる。
決して、仕事に関係ない話では
ないと感じました。
いかがでしょうか?