2019.1.29 ヂヤンテイ君

今でも反省しています。年度末の印刷工程管理の失敗談

 

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

昨日のこのブログで、
年度末の3月だけは、

 

印刷工場が大変混雑するという
話を書かせてもらいました。

 

本日はそんな3月にあった
失敗談の話となります。

 

十数年前、学校の広報担当を
されていた方がおりました。

 

私は、広報担当者と仕事をする
ことが多く、その方とも、
2年ほど、一緒に仕事をさせて
もらいました。

 

異動になった後も、その方から
お声を掛けてもらっていたのですが、

 

しばらくしてから、その方は
その学校を辞めてしまいました。

 

Facebook上ではつながりがあっため、
その後の様子も、垣間見ることが
できたのですが、

 

3年前、その方から、久しぶりに
連絡をいただき、

 

現在所属する会社で、冊子印刷
の仕事をいただくことになりました。

 

異動になっても、会社が変わっても
声を掛けてもらえるというのは、
大変光栄なことです。

 

喜んで、その仕事を請け負わせて
いただくことにしました。

 

打合せが2月にありました。

 

その時点で、納品日が3月25日と
決まっていました。

 

ページ数が多い冊子でしたが、
当社が制作を担当する仕事ではなく、

 

お客様のところにあるデータを
入稿していただくという仕事でした。

 

毎年使用する冊子で、
毎年改訂して作り直して
使用しているようでした。

 

打合せの時点では、
3週間前を入稿締切りとさせて
もらいました。

 

データ入稿であれば、冊子の仕事、
早ければ1週間もかからず、
通常なら納品できます。

 

かかったとしても1週間、
本文ページに特殊な加工があった
としても10日あれば、納品できます。

 

おおよそのページ数と発注数は
その時点で分かっていたため、

 

印刷工場が混み合う3月であっても、
3週間あれば、納品できると、
タカをくくってしまったのです。

 

その仕事は、
500ページを超える冊子で
発注数は50部以下という条件でした。

 

基本はモノクロ冊子ながら、
カラーページもあるという
情報でした。

 

カラーページといっても、
協調したい部分を赤くするという
くらいだと聞いていため、

 

10数ページ、カラーページがあったら、
そのページだけ、カラーの印刷機を
使えば良いと考えていました。

 

ページ数が多い冊子は、
大きな紙を印刷できる印刷機を
使うのですが、

 

発注数が50部以下なので、
大きな紙を印刷できる印刷機を
使うと割高になります。

 

そのため、オンデマンド印刷機と、
軽オフと呼ばれる、印刷機を選択肢とし、

 

現場には、連絡をしておきました。

 

連絡をしておいた時点では、
お客様からの入稿データがないため、
おおよその話しかできません。

 

この場合、現場からすると、
正式な情報でないため、

 

スケジュールを押えてくれません。

 

3月ともなれば、なおさらなのです。

 

せめて、仕様(印刷条件)が明確になり、
確実に下版データを渡せる日時が分かれば、
まだ違うのですが。

 

病院が空きベッドを、日々調整している
ようなイメージです。

 

当社が制作している仕事であれば、
ページ数や色数は明確なので、

 

おおよそでも発注数が分かれば、
スケジュールを押えて
もらうことができます。

 

しかし、この時は、お客様がデータを
入稿してくれない限り、
情報が分からないという状況でした。

 

前年の実績もない仕事だったため、
とにかくデータを見ない限り、
印刷条件が分かりませんでした。

 

お客様は、締切日ぎりぎりで入稿
してくれました。

 

そして、その入稿データを見て
驚いてしまったのですが、

 

カラーページが予想以上に
多かったのです。

 

500ページを超える冊子の中。
6分の1にあたるページがカラーページ。

 

確かそれくらいあったと思います。

 

数が多ければ、大きな印刷機で、
カラーのページと、モノクロの
ページで印刷機を分けて印刷する
ことになるのですが、

 

その時の発注数は、50部以下。

 

効率良く、安く印刷製本をするためには、
選択肢が限られます。

 

少ない選択肢でも、見積をして
比較検討します。

 

カラーページが予想以上に多かった
ことから、その時は、
オンデマンド印刷機がベストという
結果になりました。

 

インフォメーションをしておいた
オンデマンド印刷機の現場に
連絡をしたところ、

 

現場としても、カラーページ数が
想定外であったようで、

 

今すぐにでも、
下版データを渡してもらえないと
間に合わないと言われてしまったのです。

 

納期まで、3週間弱あっても
入らない時は、入らないのだ
ということを

 

ここで、初めて知ることになります。

 

入稿データが届いたのが木曜日。

 

データの確認したのが、
金曜日だったため、

 

日曜日に当社の社員に出勤してもらい、
表紙と目次の制作と、印刷用の下版データの
制作をしてもらいました。

 

表紙の制作は、背表紙をつける
作業です。

 

印刷用のデータは何とか、それで
準備することができたのですが、

 

お客様の上司が、最終の見積を確認し、
承諾しない限り、正式発注にはならない
という話をされてきたため、

 

現場と、お客様との板挟みに
なってしまいました。

 

ページ数や色数が分からなければ、
見積もできません。

 

入稿データが届いて、やっと
最終の見積を提出することができました。

 

そのため、お客様の見積の確認が
遅いという訳ではなかったのです。

 

それにもかからず、切羽詰まってしまい、
時間を決めて、

 

ここまでに確認してもらわないと
間に合わないというような
話をしてしまいました。

 

お客様からすれば、入稿の期日を守って
データを送ったにもかからず、

 

間に合わないというのは、失礼な話で、
お客様から怒鳴られてしまいました。

 

すぐにお詫びをしたのですが、
せっかく、何年か越しに連絡を
くれたお客様を裏切ってしまった
ことが悔しく、その日は、食事も喉を
通りませんでした。

 

冊子印刷・製本といっても、
納期まで3週間弱もあったにもかかわらず、

 

間に合わないという状況は
初めてのことで、

 

印刷現場は、3月がいかに混み合うか、
再認識をしたことになります。

 

条件が特殊だっため、
インターネットで調べて、
他の依頼現場を探る
ということもできず、

 

八方ふさがりの、あの緊張感は忘れる
ことができません。

 

何度も修羅場を潜ってきましたが、
ここ数年で、もっとも悔しい思いを
した出来事になりました。

 

見積を確認していただくまでに
少し時間を要しましたが、

 

最終的には、納期にも間に合い
納品することができました。

 

しかし、お客様に不快な思いを
させてしまったことが
いつまでも忘れられず、
今、その時のことを書いています。

 

この時から、それまで以上に、
3月の進行に慎重になっています。

 

現場がどうであろうが、お客様には
ある意味関係ないことで、

 

冷静に状況を判断しながら、
仕事を進めたいと思っています。

 

そのためには、正確な情報を
早めに確保すること重要です。

 

3年前であれば、途中の段階であっても、
データを一度、見させてもらえば、

 

切羽詰まった状況は避けることが
できました。

 

もう一度、3年前の反省をし
懺悔することと、

 

もう二度と、同じことをしない決意の
ために、

 

本日はあえて失敗談を晒すことに
しました。

 

寒い日が続きますが、しばらくすると
冬ごもりしていた虫たちも這い出てきます。

 

印刷物の仕事が盛りとなる時期です。

 

春の訪れを印刷物を作りながら
感じることができます。

 

今年の春はノーミスで行こう!
最後は、社内連絡となりました。