こんにちは。ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。
先日の記事で、厚手の印刷用紙の説明をしましたので、その流れで印刷通販サイトを使って、A4サイズのDMを発注した場合の価格比較をしてみました。
印刷通販が扱っている厚手の印刷用紙を調べている時に、DM(ダイレクトメール)印刷が商品カテゴリーとして確立されていないことに気づきました。DMが印刷商品に入っていないことも多く、あってもハガキサイズか大判ハガキサイズなどが一般的です。
学校から資料請求者に送るDMの制作に携わってきた当社からすると、A4サイズDMというのは日常茶飯事です。しかし印刷業界からすると、DMといえばハガキサイズであったり、大判ハガキサイズであり、A4サイズといえばチラシ、フライヤーなのかもしれません。
そういう意味で、A4サイズDMのポジションが定かでなく、発注しづらい商品なのではないかとも想像できます。どうやって発注すれば良いか、発注できる印刷通販はどこなのかも合わせてレポートします。
印刷通販の価格を調べた、今回の印刷物の仕様は以下です。
当社のお客様からいただくDMの仕事は、発注数が多い学校で数万部から5万部を超えるようなケースもあります。少ない学校で数千部の依頼を受けます。その間をとって8,000部としてみました。都心部の専門学校だとこれくらいの数のDMを作ることがよくあります。
先日の記事で書いたように、同じ180kgの印刷用紙でも、アートポストよりもマットコートの方が厚い紙です。そしてマットコートはマットポストよりは価格が安い設定です。DMの場合、紙が厚いほど訴求力がアップすることから、厚くて安いマットコート180kgを選びました。当社でもA4DMでよく使う紙です。
印刷業界の一般的な考え方として、180kgを超える紙を印刷する場合、厚紙用の印刷料金に切り替わり高くなるのですが、印刷通販サイトはこういう常識を超越したサービスを提供しているため、240kgの紙でも180kgと大差ない金額であれば、DMの場合、より厚くした方が良いと思います。
それとは逆に、チラシ・フライヤーからマットコート135kgも調べてみることをお薦めします。今回の条件だと3万円代になるところがほとんどですし、キャンペーン価格の場合、3万円を切るところもありました。
A4サイズのDMとしてはやや薄い紙ながら販売価格はかなり下がります。価格優先の場合はこの選択肢もありだと思います。先日の記事で書いたように、135kgを超えると紙の値段が高くなりますので、印刷の販売価格も高くなるということが良くわかります。
納期は3日営業発送にしました。DMの仕事であれば、2日営業日で発送したいところですが、2日営業日にしてしまうことで、調査できる印刷通販サイトが減ってしまうことが分かり調査した後に変更しました。
今回比較する印刷通販サイトは、A4サイズのDM印刷が注文できるサイトになります。厚手の紙になると紙の料金が高くなるため、チラシやフライヤーの印刷料金が安い印刷通販が、そのまま厚手の紙を使う印刷商品が安いとも言えないようです。
CMでおなじみのラクスルさんは、DMの場合、DM+発送のセット料金となっているため、今回は調査対象サイトになりませんでした。
また、前回同様、キャンペーン価格ではなく本来の価格を基本とし、キャンペーン価格が記載されていれば付記しておくつもりだったのですが、今回の条件でキャンペーン価格はありませんでした。
調査対象となった印刷通販は全て税込み価格表記だったため、今回はどこのサイトも価格表に掲載されている価格そのままです。
「チラシ・フライヤー商品」→「厚紙フライヤー印刷」という順で価格表にたどり着き、A4サイズと紙と納期(営業日)を選ぶと金額が特定されます。
同じ条件で紙をアートポスト180kgにすると7,000円ほど、上質紙180kgにすると10,000円ほど安くなり、マットコート220kgと紙を厚くすると10,000円ほど高くなるという結果でした。
コスト重視であれば上質紙。そしてサテン金藤180kgにしても3,000円ほど高いだけなので、紙質で変化をつける場合、サテン金藤を使うという手もあります。高級紙のMr.B、ヴァンヌーボとなると、1,000部までしか発注できないため、オンデマンド印刷限定の紙なのかもしれません。
「A・B判カード印刷」→「A4カード印刷/オフセット」という順で選択します。価格表ページになったら、用紙を選択することで価格表がでてきますので、納期を選択することで希望の価格表になります。
プリントパックさんより高いのですが、「Gマットコート180.5kg」という名前のオリジナル用紙を使うと15,000円ほど安くなったので、プリントパックさんと同じような金額になります。またダイレクト入稿、PDF入稿など、入稿方法を変えることで更に安くなります。
グラフィックさんは厚紙印刷でも選択できる紙が多く、ほとんどが30,000部まで対応しているので、紙で差別化を図ろうとする時に最適です。
イロドリさんの場合、チラシとか、ハガキでなく「名刺・カード」でした。「名刺・カード」→「A4(B5)カード印刷」と選択して、左にでてくるプルダウンメニューから詳細を選択することになります。
アートポスト180kgだと同じ条件で64,748円だったので、イロドリさんの場合はアートポストがお薦めです。同じ系列のバンフーオンラインさんでは、マットカード180kgという紙になってしまい、明らかにカード紙であることで値段も高くなることから、今回調査対象になりませんでした。
アルプスPPSさんの場合は、「ちらし・フライヤー」の中です。厚手の紙まで用紙の選択肢となっているため、サイズと紙と発送日を選べば、希望の価格表にたどり着きます。
紙をアートポストにすると59,810円。上質紙にすると54,340円なので、アルプスPPSさんで発注するなら、どちらかに紙を変更するのもいいかもしれません。
コート、マットコート、上質紙、アートポストと、用紙は4種類に限定されますが、一般的な紙で充分というケースがほとんどだと思います。
別件で中綴じのパンフレットの料金を調べた時にとても安く、さらにきめの細かいサービスを提供していることが分かり、最近注目している印刷通販サイトです。
「厚紙フライヤー」ながら、「厚紙」とあることからすぐに探すメニューが分かりました。「厚紙フライヤー」→「A4サイズ」で価格表がでますので、あとは紙を選択するだけです。
今回の条件の場合、3営業日発送が最速のようなのですが、今回はプリントアースさんの価格が最も安い価格だったことになります。
Printnetさんの場合は、「フライヤー・チラシ輪転折込チラシ」→「オフセット/A4フライヤー・チラシ」という順で選択します。フライヤー・チラシのカテゴリーの中に、厚手の印刷用紙も用意されています。
マットコートではなく「マット180kg」という選択だったため、電話で問い合わせをしたところマットコート180kgと同じという回答だったため調査対象に含めました。
同様にベストプリントさんも、A4サイズで「マット180kg」という紙は選択できるのですが、「よくある質問」ページに、マット紙はマットポストを指すと説明があったので調査対象サイトにはしませんでした。
このまるイロさん、次のプリントバディさん、最後のNEOプレスさんは、通販サイトの作りが同じなので、全て同じ方法で価格表にたどり着くことができます。
「フライヤー・チラシ」→「A4サイズオフセット」で紙と営業日を選択します。厚手の印刷用ながら50,000部まで注文でき、「マット180kg」の表示になっていることまでこの3つのサイトは共通です。
念のためそれぞれのサイトに電話して確認したところ、それぞれのサイトで「マット180kg」=「マットコート180kg」という回答をもらいました。
上記まるイロさんと使い方は同じなので、その他の情報ですが、この3つのサイトは、すべて東京の会社です。印刷通販としては比較的新しいサイトのようです。
後発の印刷通販サイトならではの、新たなサービス、新たな試みも随所にあるように見受けられ注目しています。
こちらも、上記まるイロさん、プリントバディさんと使い方は同じです。まるイロさんは、株式会社丸庄さんが運営。歴史のある印刷会社のようです。プリントバディさんはメニューを見ても分かるように表面加工に強い印刷会社のようです。
そしてこのNEOプレスさんを調べると、製版会社から出発した会社だと分かり、印刷通販の代表とも言えるプリントパックさん、グラフィックさんと同じルーツを持つことが分かりました。
いかがだったでしょうか?
200サイト以上の印刷通販を調べた結果がこれなので、A4サイズのマットコート180kgという、よくありそうな条件が意外にもないことが分かりました。200サイト以上といっても、印刷通販を全て把握できている訳ではないと思いますのでご了承ください。
「マット180kg」の表記が、印刷通販によっては「マットコート180kg」であったり、「マットポスト180kg」だったり、「OKマットカード180kg」の時もあるようなので、今回のように、それぞれの印刷通販に問い合わせして把握した方が良いと思います。
「マットコート180kg」はなく、「マットポスト180kg」を用意している印刷通販は5~6サイトありました。その辺の微妙な違い、厚手の印刷用紙の違いについては、先日の記事に書きましたので参考にしてみてください。
マットポストやマットカードよりも安くA4サイズのDMを作りたいため、マットコート180kgをメニューに入れる印刷通販がもっと増えてくれることを希望します。
また最初に書いたように、A4などの大きなサイズのDMに対応した、分かりやすい商品メニューが確立されると、DMを作る機会が多い会社や学校には便利になると思いました。