2019.4.24 たけうち

竹ちゃんの印刷現場日記!Vol.3名刺の断裁方法について

 

 

こんにちは。ヂヤンテイの竹内です。

 

新年度が近づくと、名刺印刷の仕事が増えます。新入社員が入ってきたり、部署や役職が変ったり、新年度は動きがありますね。

 

弊社の印刷機は、以前紹介させていただきましたが、比較的小さな印刷物が得意なので、名刺の仕事も頻繁にあります。

 

本日は、そんな名刺の印刷のことではなく、名刺の断裁の方法について紹介をさせていただきます。

 

 

断裁機

私の仕事は印刷オペレーターなのですが、弊社には断裁機があるため、仕事によっては断裁までが私の業務になっています。

 

断裁機を、ご覧になったことある方は少ないと思いますので、弊社が使っているメーカーのサイトから写真を引用させてもらいました。

 

 

引用:https://www.heidelberg.com/jp/ja/products/postpress/cutting/cutters/polar_78.jsp

 

卓上用の断裁機ではないため、大きなサイズで、紙のサイズの説明はここでは省略しますが、菊半裁の紙まで断裁ができます。

 

ギロチン包丁のような刃(ナイフ)がついていて、足のべダルで紙を押さえて、手前にある2つのボタンを使って断裁します。

 

刃がついているので危険な感じがしますが、2つのボタンを両手を使って押さない限り、刃(ナイフ)を下すことができないようになっています。

 

刃(ナイフ)は定期的に交換します。家庭の包丁と同じで、研がないと切れ味が悪くなります。

 

 

面付けした名刺を断裁

名刺の断裁の前に、基礎知識をもう少し。

 

印刷業界では、角トンボなどを目印に、印刷物を仕上がりサイズに断裁することを「化粧断ち(けしょうだち)」と呼んでいます。

 

化粧断ちをする時に、最も重要となるが、仕上がりサイズの数字です。断裁機にテンキーがついていて、サイズを入力して断裁をするからです。

 

名刺の基本的なサイズは、このブログでも紹介させてもらいましたが、55mm×91mmです。

 

名刺の一般的なサイズは55mm×91mmです!このサイズの理由とは?

 

そして、弊社の印刷機で印刷できる紙のサイズは、これも以前紹介させてもらいましたが、菊四裁サイズの317mm×468mmです。

 

竹ちゃんの印刷現場日記!Vol.1当社の設備について

 

菊四裁サイズに名刺1名分だと、紙が余ってししまうので、できるだけ多く面付けをして印刷することになります。

 

菊四裁サイズだと、名刺の場合、20名分(20面)の面付けができます。面付けについては、こちらの記事を参照してください。

 

完全データの道(番外編) 「面付けの基本」

 

 

名刺断裁の実践編

それでは、名刺の断裁をしてみましょう。

 

まずは、菊四裁サイズに名刺20面付した状態がこれです。

 

 

 

面付けの状態が分かるように、実線と点線を入れてありますが、実際の印刷物には、この線は入っていません。

 

トンボと呼ばれる目印を手掛かりに断裁をしていきます。トンボには仕上がりトンボと、ぬりたしトンボがあり、断裁の際には、仕上がりトンボを断裁することになります。

 

 

Illustrator版 完全データへの道 vol.1 トンボ・塗り足し 

 

仕上がりトンボ、ぬりたしトンボは印刷物の四隅にあるので、「角トンボ」と表現することもあります。

 

トンボには、その他に表裏の位置を合わせる(見当合わせ)ための、センタートンボや、折り位置を示すための折りトンボがあります。

 

まず、2辺を仕上がりで断裁します。

 

 

 

次にサイズが決まった所から91mm+ドブの所で断裁します。ドブは塗り足しのことです。仕上がりサイズよりも3mm余分に取ってあります。

 

断裁はどしても若干の誤差が生じてしまうので、仕上がりサイズよりも広範囲に塗り足ししておくことになります。

 

 

次にサイズが決まった所から55mm+ドブの所で断裁します。

 

 

最後にサイズが決まっている仕上がりのラインからそれぞれ55mmと91mmとで断裁すれば完成となります。

 

最後に

注意点として最後の断裁ではドブが見えていない部分もあるのでしっかりと赤線の所でサイズを合わせて断裁を行うことです。

 

印刷物の断裁は、間違って切ったらおしまいですし、きれいな仕上がりの印刷物を作る最後の砦のような工程なのです。

 

参考にしていただければ幸いです。