2019.4.14 ヂヤンテイ君

「道徳なくして経済なし」「経済なくして道徳なし」100年前の渋沢栄一からのメッセージ

出典:https://www.shibusawa.or.jp/eiichi/yukarinochi/index.html

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

新元号の発表とタイミングを合わせたのか、
5年も後の新紙幣のデザイン刷新について
発表がありましたね。

 

キャシュレス化が叫ばれる時代に、
5年後のキャッシュの話なので、
少々戸惑いましたが、

 

1万円札に「近代日本経済の父」と
呼ばれる渋沢栄一が選ばれたことは、
嬉しくもありました。

 

なぜかと言いますと、
一昨年、深谷市にある渋沢栄一記念館
に立ち寄ったことによります。

 

目的は別にあったのですが、
せっかく深谷市に来たのだから、
行ってみようくらいの気持ちでした。

 

深谷駅の駅舎といえば、レンガが縁で、
東京駅に似ていることを
ご存知の方もいらっしゃると思います。

 

その時撮った写真がこれですが、

 

 

いかがですか?
写真だけ見ると、間違いそうになりますね。

 

駅前には、渋沢栄一の銅像があり、
深谷市は、渋沢栄一の街であることを
知ることになります。

 

 

 

渋沢栄一記念館は、
そこからコミュニティバスに乗り、
2~30分かかった記憶があります。

 

駅からは遠いところにありました。

 

豪農であり染物原料である藍の商い
をしていた渋沢栄一の生家の近くに、
記念館はあります。

 

 

渋沢栄一については、
歴史の教科書程度の知識しかなかったため、
この資料館でとても勉強できました。

 

館内で説明されている方が一生懸命
だっため、その方をつかまえて、

 

個人的に様々な質問をしてしまった
くらいに、この時間で渋沢栄一に
とても興味を持ちました。

 

テレビでもさんざん、渋沢栄一の経歴は
紹介されましたので、
ここでは省略しますが、

 

江戸時代末期にヨーロパに視察に行き、
日本に戻り、
500近い会社を立ち上げた方です。

 

実業家とか経済人と
言われることが多いですが、
Wikipediaには慈善家ともあります。

 

明治が始まった頃の日本は、
欧米列強国に植民地化されかねない
状況にあったことから、

 

日本の国力を高めることを目的に、
産業育成に尽力したことになります。

 

渋沢栄一に興味を持ったのは、
『論語』の精神に基づいた経営哲学です。

 

経済を発展させるためには、
利益追求だけではなく、

 

道徳=高い倫理意識が必要だという
「道徳経済合一説」を唱えました。

 

さらに、会社のあるべき姿として
「合本主義」(がっぽんしゅぎ)を
提唱しています。

 

多くの人が出資者として、
企業の設立に参加し、利益を分け合うことで、

 

利益をだすことと、
社会の発展を実現するために必要な人材を
育てることを同時に行うという考え。

 

個々の力は微力ながら、
会社組織というものを利用することで、

 

産業が育ち、人が育つことで、
永続的に人々に幸福と富がもたらされる。

 

その前提には、道徳精神、
正しい道理がなければいけない

 

不誠実な利益に持続性はない
ということ。

 

自己中心的な利益の追求は、
共倒れとなり、

 

他者利益を第一とすることこそ、
円滑な経済活動が可能になる
と考えたそう。

 

恩送り、ペイフォワードですね。

 

精神論を唱えているのではなく、

 

「商工業の経済活動を盛んにしなければ、公益の追求という積極的道徳を実現することはできない」

 

という考えです。

 

「公益」の追求は、企業や個人が、
事業を通じて自分自身の利益も得られる
という期待があるからです。

 

「公益」の追求が
道徳につながるという考え。

 

だから、
「道徳なくして経済なし」であって、
「経済なくして道徳なし」です。

 

グローバル資本主義の行き過ぎ、
格差社会の広がり、

 

現在の社会に対して、100年前に
渋沢栄一が警鐘を鳴らしていたのだと思います。

 

渋沢栄一記念館の裏手にまわると、
渋沢栄一の大きな銅像が、
深谷の街を見つめていました。

 

 

 

 

また、もう1つ印象に残ったことが
ありました。

 

それは、私が訪問した1ヶ月半ほど前に、
この記念館を天皇皇后両陛下が
訪問されていたということです。

 

 

 

 

館内に写真があったので知ったのですが、
後からホームページでも確認ができました。

 

記念館の訪問は、退位を発表されてから、
1年後にあたりますが、

 

こんなところまで、天皇皇后両陛下が
訪れていることが驚きであるとともに、
嬉しい気持ちになりました。

 

江戸時代末期に生まれた渋沢栄一が、

 

明治、大正、昭和という
激動の時代を生き、
平成がもうすぐ終わりますね。

 

渋沢栄一について、まだまだ勉強
不足なのですが、

 

多くの方に、渋沢栄一について
知ってもらいたくて、本日は取り上げ
させてもらいました。

 

渋沢栄一の生誕の地で、渋沢栄一の心に
近づいてみることをお勧めいたします。