2019.1.3 ヂヤンテイ君

住職は十職。僧侶の高橋卓志さんが教えてくれたこと。

NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」サイトより

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

昨日、年末に松本に行ってきた
話を書かせていただきました。

 

せわしなく帰ってきてしまったため、
松本城くらいにしか、
寄ることができなかったのですが、

 

余裕があれば、行ってみたいなと
考えていたところがありました。

 

それは松本市にある神宮寺
という臨済宗のお寺です。

 

昨年2018年12月17日に放送された
NHK総合テレビ
「プロフェッショナル仕事の流儀」

 

この日は、この神宮寺前住職の
高橋卓志さんが紹介されました。

 

こんな僧侶がいるのかあ
という驚きから入り、

 

住職は十職」であるという
話に感銘し、

 

高橋卓志さんが活動されていた
お寺が松本だということから、

 

このところ訪問することが増えた
松本であれば、なおさらのこと、
お寺を確かめてみたい。

 

そう思っていたのです。

 

この時の
「プロフェッショナル仕事の流儀」
のタイトルは、

 

「生老病死、四苦に立ち向かう~僧侶・高橋卓志」

 

「仏教界の革命児」と呼ばれる、
僧侶・高橋卓志さん。

 

一人ひとりにふさわしい送り方で、
手作りの温かな葬儀をつくっていました。

 

私からすると、一つひとつの葬儀が、
作品のように見えました。

 

高橋さんの葬儀は、
「聴き取り」で始まります。

 

故人がどんな人生を歩んできたのか
を丹念に聴き、

 

音楽と写真で物語をつくり、
それを映像にまとめ葬儀で流す。

 

物語をつくるのは、
身内の死という苦しみに直面している
家族のため。

 

物語には、人の心を癒す力が
あるからと言います。

 

葬儀で故人にちなんだ映像を
流すだけでもユニークですが、

 

高橋さんにとっては、お経を読み
戒名を決めることだけが仕事なのではなく、
人の苦しみに正面から立ち向かう
ことが仕事。

 

家族の悲しみに寄り添うことで、心を癒し悲しみから立ち直る力を呼び覚ます作業をしているんです。

 

僧侶とは何をするべきなのかと
問い続けた結果、
やるべきことをやっているだけ。

 

聴き取りは前日にもかかわらず、
映像作品を作り、
家族の心に寄り添う物語を
つくる姿を観て、

 

自分たちは甘いなと感じました。

 

僧侶が一人でパソコンを使って、
映像作品を一晩でつくり、
家族を悲しみから救っているのに、

 

我々はパンフレットやDMを
何日もかけて共同作業で創っています。

 

比較する話ではないのかも
しれないのですが、

 

僧侶が一晩で映像作品を
つくってしまうことがショックでした。

 

高橋さんは、映像を作るだけでなく、
葬儀そのものを故人の生前の人生に
寄り添うものとして、つくっています。

 

ピアノの講師をしていた故人の娘さんに、
葬儀でピアノを演奏してもらったり、

 

理容師が故人であれば、お店で使っていた
理容店の椅子でお経を読む、

 

図書館司書をされていた故人の時は、
故人が使っていた机を祭壇にし、

 

映像の変わりに、故人が子供たちのために
選んだ書棚の前で葬儀を行う。

 

葬儀そのものを物語にしています。

 

僧侶はクリエイターだったのだと
私は感じました。

 

高橋さんは、それだけに留まらず、
介護を必要とする高齢者のための
デイサービスを廃業した旅館で始める。

 

配食サービス、訪問介護などの
ネットワークをつくる。

 

山深い地で蕎麦屋に融資する
NPOバンクの立ち上げにも関わるなど、
八面六臂の活躍ぶり。

 

本当に「仏教界の革命児」
だと思いました。

 

その高橋さん、

住職はかつて十職で、十の職業をこなす
地域のプロデューサーのようなものだった

 

と語りました。

 

そうか、住職は十職なのか、
我々もサービス業なんだし、
十職くらいこなさないと
いけないと感じました。

 

高橋さんは、29歳の時に
パプアニューギニアのビアク島での
遺骨収集に呼ばれた。

 

日本人が戦死者1000人の
洞窟の中の供養で、
お経を読んでいたところ、

 

夫を亡くした女性が
手足をバタバタさせて泣き叫び、
その瞬間にお経が止まってしまったそう。

 

その時に、団長の山田無文老師から、
お経を止めてはだめだと、
お経を止めたことを怒鳴りつけられ、
泣きながらお経を読み続けた。

 

その時、これまでの生き方がダメだったと
反省し、僧侶の仕事とは何かを
問い続けたと言います。

 

人間には、生・老・病・死の四つの苦があり、
葬儀はその終着点。

 

高橋さんは、人々を四苦からいかにして
解放するか、それが僧侶の務めだと
考えるようになったそうです。

 

慣例や常識にとらわれず、
僧侶の務めにまっすぐに向き合った結果が、

 

一人ひとり違う、
オーダーメイドの葬儀になった
ということらしいのです。

 

これってブランディングだなと
思うとともに、
そんな表現になってしまう自分が
情けないのですが、

 

現在の自らの立場で、
やるべきことは何なのか、
本質的なことを知ることが、

 

有意義な仕事となり、
他の人が真似できない個性となり、
社会に役立つことにつながる
のだと思います。

 

それは個人だけでなく
会社全体としても。

 

やるべき本質的なことが分かり、
仕事をしていくうちに、
十職をこなしていた
それが高橋さんなんだと思いました。

 

やるべきことがあるから
パソコンを覚え、映像の編集も
できるようになってしまう。

 

それが、本来の道具としての
パソコンやソフトとの付き合い方
なのではないかと思いました。

 

当社もそうありたい。
そして私も。

 

住職は十職の高橋さんの心を
忘れないために、

 

そして、サービス業って
こういうものなではないかと
問うために、

 

今日は、型破りな僧侶の話を
記すことにしました。

 

この番組、もうすぐ再放送があります。

 

1月6日(日)NHK総合
午後1時05分~ 午後1時50分

 

見逃した方も、興味がある方も
ぜひ観てみてください。