印刷・WEB・ITで
お客様の「伝えたい」をデザインする会社
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。
Google Home Miniから流れる
ニュースを聴くのが、
このところの朝の日課なのですが、
一昨日、後払いできる
旅行アプリのニュースが流れ、
気になり調べてみました。
後払いする旅行アプリ「TRAVEL Now」の
Android版が公開された
というニュースだったようです。
旅行の後払いってすごいな
とまず思いました。
旅行は前払いが基本であり、
資金繰りに必死の中小企業からすれば、
前払いは羨ましい取引。
未払い金に苦労することも
なくなります。
そのため、この後払いする旅行アプリは
かなり画期的だと思いました。
このニュースを調べているなかで、
「ズボラ旅 by こころから」も
今年の7月に後払い対応を
開始したことがわかりました。
ズボラ旅も、
おもしろいサービスですし、
Googleも旅行サービスを
拡大しているようで、
旅行業界に地殻変動が
新たに起こっているかのような
イメージです。
旅行業界における後払いも
気にはなったのですが、
ちょうど「後払い」そのものに
敏感だったため、
私は反応してしまいました。
実は、
ZOZOTOWNの「ツケ払い」を
行動経済学で解説している
記事を読み、
そういうものだったのかと
感心してしまったのです。
ZOZOTOWNは後払いのことを
「ツケ払い」と絶妙なネーミングをし、
話題になりました。
このツケ払いがZOZOTOWNの
売上急増に大きく貢献した
ようなのです。
もしかしたら、このZOZOTOWNの
「ツケ払い」に影響を受け、
先の、旅行業の後払いサービスが
始ったのかもしれない
と想像してしまうくらいです。
この「ツケ払い」を
行動経済学における
「時間選好」と「損失回避」
で読み解く記事がありました。
時間選好とは、
将来に消費することよりも
現在に消費すること。
「1万円を今あげる」と、
「1万円を1カ月後にあげる」とでは、
ほとんどの人が「今」を選びます。
損失回避とは、
人は無意識に、得することよりも
損することを避けようとすること。
「1万円を今支払う」と、
「1万円を1カ月後に支払う」とでは、
ほとんどの人が「1カ月後」を選びます。
損失が先延ばしになった嬉しさは、
利益を今もらえる場合よりも、
大きいのだそうです。
このGentie(ヂヤンテイ)ブログでも
紹介しましたが、
「おもてなし幻想」という本でも、
お客様は感動提供のような
ポジティブな体験よりも、
ネガティブな体験を覚えていて、
周りに伝えるとありました。
損失経験の方が印象に残るからこそ、
損失回避が効くのでしょう。
支払いは精神的な痛みが伴うので、
先延ばしは痛みの軽減となります。
ZOZOTOWNのお客様は
若者世代で、
クレジットカードを持っていない
からとも想像できますが、
コンビニ前払いでもLINE Payでもなく、
ツケ払いを選択しているのは、
こうした無意識の経済行動が
背景にあると想像できます。
ZOZOTOWNの売上急増に
ツケ払いが大きく貢献した
のであれば、
ECサイト運営者も
意識しざるを得ません。
現在、
ECサイトの制作を担当しています。
ZOZOTOWNのようなB to Cではなく、
B to BのECサイトなので、
クレジットカード決済ができれば、
あとは銀行振込くらい用意しておけば
良いのではないかと考えていたのですが、
大きな間違いですね。
印刷通販サイトなどで
よく見かける、
BtoB後払い決済サービス「Paid」。
導入企業数3,000社突破
というプレスリリースがありました。
後払いは購入者にメリットを
提供するだけのものではなく、
販売する側にも、
未回収リスクを無くし、
請求業務を代行してもらえるという
メリットがあります。
ZOZOTOWNのツケ払いは、
GMOペイメントゲートウェイ社の
『GMO後払い』を利用しているようです。
この手の後払い決済サービスについて
もっと勉強してみよと思いました。
ECサイトが用意している
支払い方法の中に、自分が利用したいものが
無ければ、購入を諦める
という話もありました。
ECサイトでは、支払い方法として
何を用意するか、
これもかなり大事な
お客様とのコミュニケーションですね。
想定するお客様のことを
よく考えて、支払い方法を
決めましょう。
サービスの内容はいいのに、
支払い方法で購入にいたらない
となったら、もったいない。
コミュニケーションをつくりましょうね。